食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

とんかつ 三金 四ツ谷

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ふー。満開だな。

三月末。もう随分と暖かい。

この生ぬるい真昼。次郎はチャリンコで桜を探して散策していた。

 

気がつけば四ツ谷上智大学のそばまで来ていた。紀尾井の土手の桜は満開で、春は今正にそこにあった。

 

しかし、散るのが分かっているから、その花咲きが鮮やかな程、その姿は切ない。

 

人も自然も皆同じか…

次郎は独りごちた。

 

さてと、そんなセンチに浸っていたら腹が減ってきたぜ。さてと…

 

四ツ谷はちらし寿司の後楽ってのがうまいと聞いたが、どこにあるかわからんな。

ぐるりとあたりを見回す次郎。とんかつの看板が目に飛び込んでしまった。

 

ふぅ、やはりちらし寿司で我慢できるほど俺の腹は甘くない、ってことか。

 

次郎は目に付いたとんかつ屋三金に入っていった。

 

ガラガラ♪

いらっしゃい。

一人だ。

あちらへどうぞ。

テーブルに通された。

 

さてと、いつもロースとんかつだしな、ここは変化球でいくか。

 

おい、おやじ。

はいよ。

ロースかつ丼頼む。

はいよ。

 

次郎は頼んでから水をがぶ飲みした。

ふー、暑い。

 

はい、お待ち。

程なくかつ丼がやってきた。

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おお、キャベツもつけてくれるのか。

 

まずはキャベツだよな。繊維質を先にと。

ふー。

では、いただくか。

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おお、衣がサクサクだ。意外だ。この目玉焼き風の卵も珍しいな。食べやすい。ご飯のタレもくどくないが味はちゃんとそこにある。

うん、アッサリ系だが合格だな。

 

ムシャムシャ、

 

ムシャムシャ、

 

ふぅ。

あれ、あっという間になくなっちまった。

まぁ、丼ものはこういうもんか。

かっかっかっ。

 

おい、おやじ、会計頼む。

はいよ。

 

950円です。

ほらよ。釣りはいらねーよ。店のリフォームにでも使うと良い。

次郎はそう言いながら、キッチリ950円をカウンターに叩きつけた。

 

ガラガラ♪

ありがとうございましたー。

 

ふぅ、しかし暑いな。

日が照ると、春というより、既に夏だな。

 

次郎は汗をぬぐい、再び自転車に乗った。

次は千鳥ヶ淵かな。

そう言いながら、ペダルを踏み込んだ。

 

次郎の前を桜の花びらが散る。

次は、チラシ寿司だな。

 

真昼の太陽が次郎を照りつけた。

 

続く。

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とんかつ三金@四ツ谷駅

町のとんかつ屋。おやじ達が三人で切り盛り。ロースもヒレも、そしてかつ丼も、なぜか衣がサクサク。アッサリしてるけどうまい。ランチにちょうどいい。

3.5次郎