食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

あけぼの かつ丼

ぐ、間に合わねぇ。

次郎は永田町駅にいた。

市ヶ谷にあるチーズハンバーグの店に行こうとしたが、時刻は13:50。ラストオーダーが14時。絶望が次郎を襲った。

 

ちっ。

有楽町線永田町駅のホームに滑り込んで来た反対方面の列車に咄嗟に体を滑り込ませた。

 

ふんっ、直感的に乗っちまった。

有楽町に何かあるはずだ。

次郎は独りごちた。

 

有楽町に着いたが、慣れていないため日比谷側の何もない辺りに出た。

ちっ。

さてと、とりあえず有楽町マリオンを目指すか。

次郎は歩きだした。

 

有楽町の駅に出て、ヨドバシカメラを左に見ながら高架をくぐる。

目の前に交通会館が立ちはだかる。左右をキョロキョロし、次郎は交通会館のインフォメーションを何気なく見た。

B1、洋食屋大正軒、かつ丼あけぼの。

 

ふん、半信半疑だが、これも運命か。次郎は足早に階段を下りた。

 

地下も明るくまるで地上階のようだ。そして広い。

 

直感に従い右に曲がると、人だかりが見えた。

怪しいな。

近くまでいくと、ラーメン屋に列ができていた。さらに奥を覗くと、大正軒とあけぼのの看板が見えた。14時にもかかわらず、お互いそれなりに入っている。

 

どーするか。

ここは…かつ丼だな。

次郎はドア開けっ放しのあけぼのに突っ込んだ。

 

いらっしゃいませー♪

 

一人だ。

 

こちらへどーぞ。

ご来店ありがとうございまーす。

なんにしましょー。

 

むー、かつ丼。それとカキフライを単品で頼む。

カキフライいくつにします?

…3つ頼む。

はいよー♪

 

気づくと満席だった。

危なかったな。

 

目の前のオヤジの揚げ物捌きに吸い込まれた。

分厚い肉が、小麦粉に揉み込まれ、卵の池を潜る、そしてパン粉が大量に被せられ、熱々の油にDIVE INTO。

 

華麗だ。羽生結弦の4回転サルコからのトリプルアクセルだ。演技点は9.8か。

 

はい、かつ丼お待ち。

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おお、俺のだったのか! 

うまそうだな結弦。

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熱々だな!

衣は薄クリスピー。肉はほんのり赤い。ポーションは小さめだがボリュームは申し分なし。卵が少し少な目だがそこはご愛嬌か。

 

はい、カキフライでーす。

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ぐぉ、でかい!

どれどれっ

 

熱っ!

はふい!

しかし、うまい!

ボリューム満点だな。

 

こりゃあ混むわけだ。

 

ゲフッ

 

結局完食か。まずいな。

 

おい、会計頼む。

 

はい、1400円です。

かつ丼が1000円、カキフライが400円か。

まぁそんなもんだろう。カキフライ、なかなかだったな。

 

ほらよ。

10000円お預かりします。

 

お釣り8600円です。

おう。

次郎はおばはんから釣りを乱暴にむしりとった。

 

ご馳走さん。

 

どーもー♪

 

ふん、いい店を見つけた。

しかし隣のラーメン屋も気になるが…

 

またにするか。

 

次郎は汗をぬぐい、コートをもったまま階段を上り、有楽町から銀座の街へと消えていった。

 

街には春の足音が聞こえていた。

 

続く。

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あけぼの@有楽町駅 交通会館B1

かつ丼が有名だが、ほかの揚げ物もうまそう。カキフライでかくてうまい。値段はそれなり。

3.6次郎