全くよう、困るんだよな!
こっちの身にもなれっつーんだよ!
次郎は怒っていた。
痛風になるまいとLG21を飲み、体健やか茶を飲んだ次郎。準備は万端だった。
オヤジ!
ホッキ貝と平目、そして鮟肝!
こんなの行かないわけねーじゃねーか!!
次郎は微笑んでいた。
ガラガラ♪
11時50分。満席。
次郎は店内で待ち、そして奥のカウンターに座った。
あれ、今日は休みかい?
そ、そうなんです…
照れ笑いする次郎。オヤジが休みを把握してくれていることが嬉しい。
超ヤバい肉、味玉、のり、青唐で。
はいよ〜
今日のスープは、濃い味、薄味どっちにする?
濃い味で!
被せ気味に即答した。
ふー、楽しみだぜ。
チャッチャッチャッ♪
チャッチャッチャッ♪
マラカスのような湯切り音が、狭い店内を湯気と共に満たしていく。
はい、お待ち。
ぐぉ!このビジュアル。ヤバいな!
ヤバい奴だけにな。
次郎は独りごちた。
真っ黒だな。真ん中の鮟肝、左下のほろほろチャーシュー、右上の味の濃いバラ肉、右下の味玉。
見事、としか言いようがない。
さてと、
ズルズルッ!
うー、毎度この玉子縮れ麺。完璧だ。
このチャーシューがほろほろなんだよなー。
うまい。
そして、この超悪い肉。
このヤバいスープにピッタリなんだよな。
うまい!これで白飯一膳いけちまう。
ズルズルッ!
ズズズッ!
ズルズルッ!
ズズ、ズズズズー。
ふぅ、ご馳走さんと。
ダメだ。
幸せってのはやはり今ここにある。
オヤジ、超うまかったぜ!
また来るわ!
はいよ、行ってらっしゃ〜い♪
すっかり気分を良くした次郎。
本当は仕事上の問題でむしゃくしゃしていたのだった。
しかし、俺には神保町がある。誰にも侵されない幸せが。ふふ。
次郎はオヤジの店を出て神保町の街を更に奥へと歩き、一軒の喫茶店に入った。
古瀬戸。
壁面が一面アートになっている珍しい昔ながらの喫茶店。店内は広く、適度に落とされた照明が食後の一服には心地よい。
ここの紅茶にはブランデーが付いて来る。
これがたまらねーんだよな。ブランデーの香りが紅茶と相まって口に広がっていく。至福の時が次郎を染めていく。
この街があれば俺は生きていける。
次郎はそう感じていた。
続く。
覆面智@神保町
ホッキ貝、平目、鮟肝出汁のヤバい奴醤油ラーメン。豪奢な。ボリューム満点。肉肉しいトッピング。最高潮。
3.9次郎
古瀬戸@神保町
昔ながらの喫茶店。壁面がアートになっている。店内は広く、居心地が良い。ここはウインナーコーヒーかブランデー付きの紅茶か良い。
ランチはカレーも出している。
3.5次郎