食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

俺の空 ラーメン

昔は混んでて全然入れなかったのにな…

次郎は独りごちた。 

 

高田馬場。ラーメンの聖地。

次郎は学生時代にラーメン大戦という死闘を経験してきた。

三軒梯子の大技もしょっ中繰り出していた。

その度に強靭な胃袋にも痛みが走ったものだ。

しかし、あの頃の戦場だったラーメン屋のいくつかは戦いに敗れ、消え失せていた。

 

諸行無常の響きあり

国敗れて山河有り

…か。

次郎はまたも独りごちた。

 

 

しかし、この店は、まだ生きながらえていた。

俺の空』。

学生時代はあまりの列の長さに一度も入らず悔しい思い出だった。

 

あれから15年。

今日、もう店の前に列はなかった。

 

ふんっ。

複雑な思いがよぎる。

 

グィッ!

次郎はドアを開けた。

いらっしゃいませ!

 威勢のいい店員が声を張り上げている。

 

さてと。

やはりスタンダードなラーメンだな。

次郎は食券を買ってカウンターに座った。

 

威勢のいい店員が、店内オペの度に声を張り上げている。

ふん、少々うっとおしいな。

 

まぁいい。お手並み拝見だ。

 

 

しばらくすると着丼した。

はい、お待ち!

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ほう、魚介系だったのか。

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チャーシューは分厚いな。

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ほう、この細切れのチャーシューとメンマがそれぞれの他更に載ってるのはいいな。

どれどれ。

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麺は細麺か。

ズルズルッ!

柔らか目だな。合格だ。

 

なかなかコッテリとしたスープだ。悪くない。メンマも柔らかいな。

もう少し厚くてもいいが。

チャーシューは柔らかい。ただ、もう少しパンチがあってもいいな。

 

全体的に上品で、女性向けか。

うまいものの、期待ほどではなかったか。

値段がこれで1130円はちょっと高いか。

 

ズルズルズルッ!

 

ズズズー、

 

ズルズルズルッ!

ズズズー。

 

 

ふぅ。

ご馳走さんと。

 

 

グィ♪

次郎は店を出た。

 

 

東京に本当の空はないと智恵子は言った。

 

そして、ここは俺にとっての空ではなかったか。

安達太良山には俺の本当の空があるのだろうか…

 

 

高田馬場の曇りがちの空に小さな青が覗いていた。

 

 

サヨナラ、憧れ。

 

次郎は呟いた。

 

続く。

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俺の空@高田馬場

言わずとしれた名店。魚介系のコッテリラーメン。味と油のバランスも良い。しかし評判の高さほどの味ではない。少し割高。列はもうない。

3.4次郎