食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

覆面智15 渡り蟹のやばい奴

お、おやじ!!

渡り蟹って…

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 こりゃあ行くしかねーだろ!

 

次郎は布団でいつものように携帯をいじり、まだボンヤリとした頭でいつものラーメン屋のツイートを見た。

 

渡り蟹のやばい奴、やり過ぎた。

 

な、何をやり過ぎたんだおやじっ!

どーいうことだっ!

 

くそっ、こんな朝早くから俺の眠りを妨げやがって。

 

次郎は布団を剥ぎ、いそいそと部屋を出た。まだ開けきらない眼に朝の冴え冴えとした空気は堪えるのだった。

駅に着く頃には、幾分寒さも和らいでいた。

 

電車に揺られること15分。神保町に到着した。

横にいる疲れたサラリーマンを尻目に次郎はエスカレーターを一段飛ばしでずんずん登った。

 

ふん、朝からシケた面しやがって。そんなんだから一生オワリーメンなんだ。まぁ俺には関わりのないことだがな。

次郎は独りごちた。

 

改札を出て地上にでると、まずはカラダすこやか茶を買う次郎。念ためな。次郎は自分に言い訳した。

 

ガラガラ♪

お、早いねにーちゃん。

 

お、おぉオヤジ。

次郎は迷わず悪い奴を選ぶ。

1000円か。まぁいい。

 

悪い肉、超悪い肉はカウンターで100円払ってください。

 

なんだ、超悪い肉ってのは!?

 

よし、いくしかねーな。

 

はいよ、弟子。悪い奴に、超悪い肉追加でな。

はいよ。

トッピングは?

青唐辛子、のり、味玉だ。

はいよ。

 

 

チャッチャッチャッ♪

 

 

チャッチャッチャッ♪

 

はいよー。

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ぐおっ!

なんだこのビジュアルは!

超悪い肉。醬油味がキツそうだ。くくくっ。

次郎は笑いが止まらない。

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ズルズルつ 。

くっ、この細縮れ麺、毎度のことながらうまい。スープが良く絡み喉ごしも小気味良い。

そして、このスープ。渡り蟹の味と匂いが口の中を溢れんばかりに満たす。

更にはこの悪い肉、スープに負けないくらいパンチの効いた豚バラ。スープと相まってもはや、ノックアウト寸前だ。

 

だ、だめだオヤジッ…

うますぎる。

 

超うまいやつ

 

じゃねーか!

 

ありがとよー。

 

ゲフッ

ご馳走さん。

 

ふー、幸せは今正にここにあった。

 

うまかったよ。また来るぜ。

待ってるよー。いってらっしゃーい。

 

オヤジの小気味良い挨拶を背中に浴びながら店を出た。

 

こりゃあカラダすこやか茶でも買わないとな。ハハッ!

 

こうして、次郎はコートのポケットに入れた一本目を忘れて、二本目のカラダすこやか茶を買うのだった。

 

続く。

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覆面智@神保町

渡り蟹の悪い奴。悪い奴は水曜のみ。今月は渡り蟹の出汁を

スープは渡り蟹が効きまくっている。悪い肉を投入するとトッピングは完全体。体にも悪い奴かもしれないが、間違いなくうまさは神の領域。

4.0次郎