食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

覆面智13 あん肝まぜそば

な、なに!!

あん肝まぜそばだと!!!

次郎はひとりごちた。

 

この土日、オヤジのラーメン屋覆面智ではあん肝ラーメンを出していた。

次郎はオヤジのラーメンの中で一番好きな具材であるあん肝ラーメンを食べたくてたまらなかったが、仕事がそれを邪魔していた。

 

しかし、今朝オヤジのツイッターを確認したところ、牛テールラーメンと「あん肝まぜそばを特別に実施」のツイート。

 

行くしかねぇだろ!

 

次郎は家を飛び出した。

うぉっと、道に出るやいなや横から飛び込んでくる車にはねられそうになる次郎。

 

くっ、天竺への道はそんな簡単じゃないってかっ!

 

次郎はチャリンコを漕ぎ、最寄駅まで行くと、チャリンコを乗り捨て地下鉄へ駆け下りた。

 

神保町。

魔法の街だ。

次郎は、地上に駆け上がり、オヤジの店へ急いだ。

午前11時。まだまだ昼時には早い。しかしカウンターはあと一席で埋まる。

 

ふぅ、間に合ったようだ。

ガラガラ♪

 

こんちは。

オヤジから声がかかる。次郎は会釈した。

どっちにする??

あ、あん肝で。

 

もはや小難しい会話は必要なかった。

生卵、青唐辛子ダブルで。

 

いいチョイスだ。今日のはヤバいよ〜

オヤジの誘惑が次郎の胃袋を着火した。

 

 

いやー、大将!めちゃめちゃうまいねコレッ!

左隣の常連がオヤジに声をかける。

 

右隣の女が牛テール塩ラーメンを注文する。

 

ど素人がっ!今日あん肝を頼まずにいつ頼むんだっ?あぁ?すっこんでろっ!

次郎は右隣の女をにらみつけた。

 

 

はい、おまちど!

突如沈黙は破られた。

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ん?あまり普通と変わらな…

ぐ、ぐぉ!

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なんじゃこりゃ!まぜそばの下はあん肝しかねーじゃねーか!!

 

次郎は中身をかき混ぜた。

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ぐぉ!うめぇ。

麺にモヤシ、ネギ、メンマ、チャーシュー、そしてあん肝が絡まって行く。

うぉ、こりゃたまらんな。生卵も相性抜群だ!

 

4分の3ほど食べた頃、

 

じゃ、割りスープ行っちゃうかい

オヤジがニヤニヤしながら訪ねてくる。

 

あ、あぁ、頼みます。

はいよ♪

ドボドボドボッ

 

!!!

なんじゃこりゃぁあ!

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割りスープ。普通はスープのみだが、今日は全てあん肝だった。アリエナイ…

 

今日は大サービスよ。痛風に気をつけてね〜。

次郎は言葉が出ない。

 

ぐ、ぐぉおおお!

うますぎるぞこりゃ。スープじゃない。あん肝だ。全部あん肝だ。

無心で残りの麺とあん肝を貪る次郎。

 

なんじゃこりゃぁあ!!

久しぶりにスープまで完飲した。

いや、こりゃスープじゃねぇ、あん肝だ。あん肝は飲み物だったんだな。

そう結論づける次郎。

 

ゲフッ

 

オヤジ、ありがとよ♪

はいよ〜。また来てね〜♪

 

ガラガラ♪

次郎は店を出た。

まだ11時35分。ランチタイムはこれからだ。

 

近くのセブンイレブン黒烏龍茶の棚に向かう次郎。その背中からは湯気がたっていた。

 

続く。

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覆面智@神保町

あん肝まぜそば。店で年に一度あるかないかの特別メニュー。ヤバいあん肝の量。1200円は止むを得ず。旨すぎる。

4.1次郎