食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

鴻 スープカレー

それはグロテスクなまでに暗闇の中だった。

山縣来栖はその闇の中にぽつんと佇む一軒の洋館を見つけた。

 

ふーむ、これから殺人が起こりそうな気配だ。

パタリ。次郎は本を閉じると、腕時計に目をやった。

むぅ、12:45か…そろそろ昼飯でも食うかな。次郎は喫茶店の席を立ち上がった。

 

今日は神保町に本を探し求めていた次郎。昼は神保町で取ることに決めていた。しかし、いつものオヤジのラーメンは今日はやめておきたいところ、目の前に鴻というレトロな看板が目に入った。

f:id:hidekinghenry:20170927132440j:image

よく見るとスープカレーを出す店あの鴻らしい。

ほぅ、こんなところに鴻か。よし、決めた。今日はここだな。

 

カランコロン♪

いらっしゃいませー。

 

む、暗い。そして間口が狭い。

なんと靴をぬぐのか。

 

ま、まぁいい。

中にもう一枚扉があった。

ガラガラ♪

 

む、更に暗い。

まるでグロテスクなまでの暗闇だった。

f:id:hidekinghenry:20170927132734j:image

なんだここは、飲み屋か。

どうやら夜は飲み屋のようだった。

メニューを見る次郎。

f:id:hidekinghenry:20170927132841j:image

だいたい千円前後か。

ん?カウンターに置いてある特別メニューに目がいった。

f:id:hidekinghenry:20170927132922j:image

豚しゃぶカレーか。いいな。サラッといけそうた。よし、おい、おやじ、豚しゃぶカレーの黒で頼む。それとラッシーもな。

 

はい、かしこまりました。

 

店内のカウンターは狭く五人入るとぎゅうぎゅうだった。二階にも席がありそうだった。

さてと、何が出てくることやら。

 

 

はい、お待たせしました。

ほう、早いな意外に。

f:id:hidekinghenry:20170927133139j:image

小さなお盆にのって件のカレーが提供された。

ほう。さすがに黒いな。グロテスクなまでに…とまではいかないがな。

 

さてと、お手並み拝見だな。

 

次郎はスープを啜った。

ほう、濃厚だ。味もしっかりついている。

スープが野菜に絡みつき、それでいてシャキシャキだな。

豚肉はどうか…

ほう、あっさりして、スープとうまく絡むな。ま、しかし想定通りだな。

だが、悪くない。

 

むしゃむしゃっ

 

ズズズッ

 

むしゃむしゃっ

 

ズズズッ

 

ズズズズズズズー

 

ふー、腹一杯になるな。次はハンバーグも試したいところだ。

 

なんだか味のある店だな。おい、おやじ、会計だ。

 

はい。1200円です。

はいよ。

 

まいど。

 

カランコロン♪

 

狭い土間で靴を履く次郎。

おおぅと、押すなバカヤローがっ。

後ろのオワリーマンに怒声をかまし、店を出た次郎。

 

曇天の空は、太陽を隠してはいるものの、まだまだ残暑がきつい。

 

ふー、夏はまだまだ続きそうだな。

次郎は独りごちた。

 

恨めしそうに空を見上げ、次郎は再び神保町の街を歩き出した。

 

 

続く。

f:id:hidekinghenry:20170927133941j:image

鴻@神保町

夜は飲み屋か。昼はスープカレーの店。どちらかというとカレー寄り。黒と赤の2種類のスープ。食べやすいスープカレー。味は濃い目。これといって特徴がないが、とはいえ味はなかなか。ハンバーグが正解か。

3.5次郎