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食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

覆面智⑧ 白えびと鯛出汁の塩ラーメン

あ、暑いな…

まだ四月だというのに。

 

次郎は住民票を取るため区役所向かったが、支所が三田線沿いにあることが判明し、三田ならばと神保町に途中下車した。

 

むしろ、遠回りだな。まぁいいか。今日はオヤジの妹のバースデー。いつもと違うラーメンが味わえるなら行かない手はないな。

次郎はひとりごちた。

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くくくっ、白えびに鯛か。うまそうだ。

 

店の前につくと、既に人が並んでいた。

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おぉ!さすが常連は耳が速いな。

 

次郎は大人しく列に並び、目を閉じた。

 

お客さん、どうぞ。

突如沈黙は破られた。

 

おぉ、弟子の兄ちゃんか。千円だな。ほらよ。持ってけドロボー!

 

次郎は店内に入りカウンターに座した。よし、オヤジ、大盛りで頼む!

 

ハイよっ。

 

小気味のいい会話に麺の湯切り音が続く♪

次郎は再び目を閉じた。

 

チャッチャッ

 

チャッチャッ

 

チャッチャッチャッチャッ

 

 

はいよ。お待ち。

再び沈黙は破られた。

 f:id:hidekinghenry:20170418123525j:image

そういえば、トッピングを言い忘れていたがいつも通り、味玉に海苔、青唐辛子が入っていた。

 

さ、さすがだオヤジ!

しかし、この豚しゃぶがまたうまそうだぜ。

 

まずはスープからだな。

いつも通りスッキリとした透明なスープだった。

む、えびだけでなく鯛の味までしっかりついてるな。えびで鯛を釣るってかっ!!

ハハッ、やるなオヤジ!

 

そして、豚しゃぶだ。

くー、うまいな。豚しゃぶも単なる肉ではなく、ちゃんと出汁の効いた味が予めついている。これはうまいはずだ。

 

ズルズルッ

 

 

ズズー

 

ズルズルッ

 

ズズズー

 

ズルズルズルッ

 

ズズー

 

ズズズズズー

 

 

ふぅ。ごちそうさんと。

い、いかん、またスープを飲み干しちまった。

 

 

毎度♪

器を下げるオヤジの嬉しそうな顔を見て諦めがついた。

 

オヤジ、今日もうまかったぜ。妹さんと良い誕生日をな!

そう言い捨てて、次郎は店を出た。

 

ふぅ、俺もそろそろバースデーなんだけどな…

ボソリと呟く次郎。

 

その言葉はすぐに都会の喧騒にかき消された。

 

続く。

 

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覆面智@神保町

いうもながら味の変わるラーメン屋。今回は白えびに鯛と贅沢な出汁。いつも通りのハイクオリティ。完敗です。

 

3.8次郎