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食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

牛蔵 富士見台

牛蔵か、楽しみだ。

次郎は独りごちた。

 

予約の取れない店として有名な焼肉屋。次郎にも少ないが友達がいて、彼が今日は昼にわざわざ並んで予約を取り付けてくれていた。

 

 

持つべきものはなんとやら…だな。次郎は朝昼を抜き、夜に備えた。

 

少し痩せたか?

鏡を見る次郎。キツネ目ではないが朝から何も口にしていないためか、その顔はぼんやりと存在するのかしないのかわからない次郎の顔があった。

 

さてと、今日は仕事もこれくらいにして、行くか。次郎は職場を人知れず出た。

 

久々に乗る大江戸線は狭く混んでいた。

なんだこのくそ電車は。設計した都知事は処刑だな。

腹が減った次郎はラディカルになっていた。

 

練馬で乗り換え西武線に乗り換えた。昔から慣れた西武線。次郎は子供の頃を思い出した。

 

いかんいかん、空腹を前に湿っぽくなっちまったな。今夜は全てを飲み込むんだ。

 

次郎は富士見台を降りると牛蔵まで駆けた。

 

ふー、着いたか。友はもう入っているようだ。はやる次郎。階段で足を強打した。

ぐぉっ、弁慶の泣きどころが!義経め!

 

ガラガラ♪

 

いらっしゃいませー!

威勢のいい声が響いた。入り口の近くに仲間は座っていた。手をあげる次郎。

久々に顔が綻んだ。

 

よう次郎、ひさびさだな!どうした?足なんか押さえて。

 

い、いや、ちょっとな。

しかし。久々だな!予約悪かった。

 

挨拶もそこそこに席に着く次郎。

よし、戦闘開始だ!

 

にいちゃん、盛り合わせ四人前だ。それとハンバーグだ。

 

はい。あ、すいません、ハンバーグは品切れDEATH!

 

な、なにぃ!!!ハンバーグが隠れた逸品なのに…な、なんてこった。

仲間ともどもがっくりした。

 

えい、気を取り直して、薄焼きカルビも追加だ、ナムルもキムチも韓国海苔もだ!

もちろんユリオカでな!

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久々に言ってやった。

 

はいよ!

威勢のいい返事に期待ができた。

 

次郎たちは、昔話に花が咲いた。

 

はいよ!

突如沈黙は破られた。

 

ぐおー!うまそうな肉だ!f:id:hidekinghenry:20170310233656j:image

肉の種類をいろいろ説明されたが、言われたそばから忘れていった。

どこの部位だがしらねーが、全部うまそうだ。

 

よし、この薄いのからいくか。

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くー!うまそーだなー!

すぐに焼けちまうな!かはっ!

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う、うまい!たまらんな。どんどんいくぞぉー!

 

ジュージュー♪

 

かはっ!うまいー!

 

ジュージュー♪

 

ぐぉっ、うまいー!

 

つぎの皿は薄切り肉しゃぶか!

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ジュッ♪

すぐに焼けちまうな!

 

うまいー!

ぐぉっ、我慢できん!

ら、ライスだにいちゃん!

 

はいよ♪

 

むしゃむしゃ♪

 

ジュッ♪

 

むしゃむしゃ♪

 

 

ジュッ、ジュージュー!

 

ジュージュー♪

 

ジュッ♪

 

ジュージュー♪

 

次郎の夜は更けていった…

 

 

 

 

続く。

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牛蔵@富士見台

言わずとしれた焼肉会の人気店。食べてる間もどんどん人が並ぶ。昼間に誰かが予約に来ないと入らない。難易度E。しかし、絶品。

4.4次郎