食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

佐久良 ビーフシチュー

なぜだかよく思い出せないが、次郎はメトロに乗っていた。何駅を目指すつもりで乗ったのか、なんだからわからないが銀座線に乗っていた。

 

銀座を越え、日本橋を越えた。上野広小路を越え、気がつくと終点の浅草に着いていた。

 

うううう。寝入ってしまったようだな。

 

とりあえず、降りるか。

次郎は車両から降り、改札をくぐり、出口に向かった。

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さてと、浅草だな。人の集まる方向にしばらく進むと雷門が見えてきた。

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ほう、雷門か。

あ、古いお守りを処分しないとな。次郎は浅草寺の奥にある古札処分所に古いお守りを投げ込んだ。

 

ありがとよ。成仏してくれ。

次郎は呟いた。

 

さてと、なんで浅草に来たんだっけな…そうか。ビーフシチューか。

 

次郎は浅草にあると言ううまいビーフシチューを食べに来たのだった。

 

その途中でお守りを処分しようとしていたのだった。銀座線に乗っている間にいつのまにか眠りこけていた。浅草は終点であったため乗り過ごすことなく終点についたのだった。

 

確か件の店は、浅草寺の裏手だったはずだな。

次郎は本殿を通り越しずんずん奥へと進んでいった。

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もう一息だな。しかし、中国人だらけだ。うかうかしてるとこの国も乗っ取られちまうぞ。

まぁいい、とりあえずビーフシチューを探すか。

 

裏手を越えて更に路地を進んだ。右手にはスカイツリーが見えた。

 

スカイツリーが近いのか。スカイツリーがなんだか古くさく見えた。

 

更に路地をすすんだ。そこに次郎の今日目指していた看板があった。

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「佐久良」。喫茶店のような店構えの洋食屋だった。

 

カランコロン♪

いらっしゃい。こちらへどうぞ。

 

次郎は店のマダムにカウンターに促された。

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次郎はメニューを見ていささかびっくりした。ビーフシチュー2400円。タンシチュー2700円。単品。

 

た、たけぇな!

しかも何もついてねぇのかよ!思わず叫びそうになったが店内が静かだったため声を上げることは憚られた。

 

ハンバーグなどもあり、それは1550円ほどであった。

 

まぁいい、せっかく来たんだ。おい、おばん、ビーフシチューだ。それと、厚切りパンもな。

 

はい。

 

 

気がつくと席は満席だった。ふーむ。よっぽどうまいということか…

次郎は目をとじた。

 

 

はい、お待たせ。

突如沈黙は破られた。 

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ほう。うまそうじゃねーか!さらに厚切りパンもうまそうだな!

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どれどれ。

ん、バターがたっぷりぬってあってうまくパンと溶け合ってるな。うまい!懐かしの味だ!

 

そして、問題のビーフシチューだ。

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柔らかそうだな。

次郎は一口目を口に入れた。

おぉう。うまい。まさにビーフシチューだな。濃厚なのにそんなきつくない。肉も柔らかくて上品だ。これはいける。

更に、にんじんとブロッコリーもいいな!

 

このパンをシチューに入れて食べるコラボもうまいやないか!

関西弁になっていた。

 

ゲフっ。

ふー。いやーくったな。

 

うまかったな。おい、おばん、会計頼む。

 

はい。

3500円です。

 

んー、やはりなぁ値段相応ってところか。まぁでも味は悪くないな。

 

次郎は金をカウンターに叩きつけた。つりはいらねーよ!とぴったりの3500円を置いた。

 

カランコロン♪

 

さてと、このあとは、まだ時間もあるしな。上野にでも行くか。上野は上野でまたたくさんうまい飯屋があるからな。梯子っちまう危険性が大だ。

 

次郎は再び浅草寺の裏側を通った。もう一度、スカイツリーを見た。しかし、やはり町の古さに染まってしまったのか、ツリーは古くさく見えた。

浅草寺を裏側から突き抜け、地下に降りた。

平日だというのに浅草は人だらけだ。外国人観光客が日本を感じに来ている。

 

ふん、作られた日本文化だな。

次郎は独りごちた。

 

さてと、本当の東京を探しに行くとするか。

次郎は再び空いた銀座線に乗り込んだ。

 

続く。

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佐久良@浅草

洋食屋。ビーフシチューと厚切りパンがうまい。ちと高い。浅草周辺に住んでいれば再訪もあるかもしれないが、これだけではちと高すぎかな。うまいけど。

3.3次郎