食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

覆面智⑥ オマール海老塩ラーメン

お、おやじ!

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次郎は何気なく行きつけのラーメン屋の大将がやっているツイートを見ていた。

しかし、前回の時と同様、いきなりのオマール海老写真。

 

く、くそ、お、おやじ…

次郎は、洗濯をし、気を紛らわした。

次郎は、掃除をし、ツイートを忘れようとした。

次郎は、食器を洗い、海老を思い出さないように努めた。

 

ふー、家も片付いたな。

く、となりゃぁ、行くしかねーだろーがっ!

負けだよ、おやじ。

次郎は独りごちた。

 

次郎はコートを羽織り、綺麗になった部屋を出た。

いい天気だった。絶好の、ラーメン日和になっていた。

 

いつものように、神保町の駅を駆け上がり、黒ウーロン茶を買った。戦闘態勢万端だった。

 

お、おやじ、、

例によって店の前にはツイートでみたオマール海老がおいてあった。

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ふー、大盛りだな。

またも次郎は呟いた。

 

ガラ♪

 

おぉにいちゃん、来たね!

 

見透かされていた。

次郎は先生パンチをおやじから食らった。

 

お、おやじ!

 

次郎は普段はないトッピングの肉ワンタンも追加し、カウンターに座した。

 

トッピングは、海苔、青トウガラシ、それに煮卵だ!

 

あいよ♪

 

小気味のいいやりとりだった。

 

ふー。次郎はこのワクワクに身を任せ目を閉じた。

 

はいよ。

突如沈黙は破られた。

 

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くー、塩ラーメンのいい匂いがした。肉ワンタンもうまそうだった。

 

次郎はスープを一口すすった。

あっという間に口に海老の香りが広がる。

 

くー、来た甲斐があったぜ。うまいぜおやじ!

 

あいよ。うめーよなぁ。

 

おやじも頷いた。お前が作ったもんだろーが…しかし、うまい。塩の味がスッキリした味にし、それに海老がうまくマッチしている。

さらには、青トウガラシがまたいいスパイスに。

 

たまらねぇ。やっぱり幸せは間違いなく今ここにある。次郎は心の中で呟いた。

次郎が煮卵を掴むと、煮卵が弾け、緩やかな黄身が飛び出た。これがまた黄色ちぢれ麺に絡まりまろやかな味が口に広がる。

 

だめだ、こりゃあ!!!うますぎるぜオヤジっ!

 

ふー。大満足だ。いや、大満足です。

敬語を使わざるおえんだろう。

次郎は心の中で呟いた。

 

さてと、じゃあなオヤジ。今日もいいもん見せてもらったぜ。また来週来るよ。

 

ガラガラ♪

いってらっしゃーい♪

 

扉を開けて出た次郎の背中に、オヤジの暖かい声が追いついた。

 

時刻はまだ12時。

冬の暖かな陽光が次郎を照らしていた。

 

続く。

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覆面智@神保町

今日はオマール海老出汁の塩ラーメン。まずいわけがない。海老の風味が満点で、トッピングの肉ワンタンが絶品。今月は毎週火曜日がオマール海老出汁。

3.8次郎