食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

関口亭 ハンバーグ

さてと、久々にいっちまうかな。

次郎は一週間の仕事を終え、開放的な気分だった。

 

ここ一週間でめっきりと寒くなり、本格的な冬到来の気分が街を覆っていた。

どこにいっても最初の話題は、寒くなってきたという一言に始まり、今年は大雪らしいなどというお決まりの予想で会話は終わった。

次郎も顧客に直接接することもあり、逆にそんな話題のおかげで普段の口の悪さを露呈せずに済んでいた。

 

これは、冬将軍様様だぜ。

独りごちた。

 

しかし、なんかうまいものでも食って一週間の労を労うとするか。

自分を労わるのは大切なことだ。今までの経験が次郎をそう感じさせるようになっていた。

 

ラーメンはないな。スープカレーも食べたしな。となると、やっぱりあれしかないか…しかし、どこのソレにいくかだな。最近行っていないところはと……

 

おぉ、ここがあったな。

 

次郎は代々木公園駅に向かった。

ここは2番出口からでないとえらいことになるからな。そう呟きながら階段を駆け上がった。

 

んー、久々に来たなこの街に。とはいえ大して知らねーけどな。たしか芸能人が多い街だったような…

 

そういう横から渡辺謙がジョギングで駆け抜けていった。

ように見えた。

 

単なるスキンヘッド野郎か。

まぁいい、いくか。

 

件の店は駅から徒歩1分のところにあった。

お、やってるやってる。

 

カランコロン♪

 

いらっしゃいませー。

 

新入りのおばちゃんがいた。

 

ほう、新手か。まぁいい。席はどこだ?あぁ?

次郎はジロッとその新入りを一瞥した。

 

は、はい、カウンターで。

次郎がカウンターに行こうとすると、店の奥から指示が飛び、次郎はテーブルに通された。

 

ふん、俺も偉くなったな。次郎は満足気にテーブルに腰を落ち着けた。

 

さて、と、、、迷うことはないか。

 

おい、おばちゃんっ。

 

ハンバーグデミグラスソースとポテサラハーフ。それと味噌汁も。

 

は、はい、かしこまりました!

店員はたどたどしく注文を取った。

 

早く仕事になれろよ♪

次郎は優しい眼差しでおばちゃんを見遣った。

 

はい、おまちどお様。まずはポテトサラダね。それとグラスの白。

f:id:hidekinghenry:20161212235842j:image

料理は店主の妻と思われるお母さんが持ってきた。

んー。うまいなこのポテサラは。白にもぴったりだ。

 

 続けざまに、

はい、ハンバーグです!

 

ふふ。

安定してるな。

 f:id:hidekinghenry:20161212235636j:image

期待通り、うまそうなハンバーグだった。

 

次郎はポテサラを置いといて、ハンバーグに箸を入れた。

おぉ、柔らかい。そうだ、この柔らかさがこのハンバーグの特性なんだよな。うーん、デミグラスソースがまたうまいな。あぁ、幸せだなぁ…

 f:id:hidekinghenry:20161212235930j:image

こんな幸せを俺一人で味わうなんて…

イカンイカン、最近の俺はどうかしてるぜ。

別にいいはずじゃないか、これで。

 

さぁて、またこの特注の味噌汁がまたうまいんだよなー。洋食のあとの味噌汁は心がほっとするな。こんな味噌汁を作ってもらえるときが… 

f:id:hidekinghenry:20161212235950j:image 

イカンイカン、どうしたっていうんだ俺は。

次郎はそんなやわじゃないはずだ。

独りごちた。

 

ふー、ごちそうさん。あい変わらずうまかったな。キッチンハセガワにはないうまさだな。

 

おい、新入り、会計だっ。

 

はい、かしこまりました!

 

代金を置いたところで携帯が震えた。

 

 

ちっ、またか。このメールが俺を変えるのだろうか。

 

カランコロン♪

 

 

答えは夜空に消えた。見上げても星は見えなかった。ただ電車の通過音だけが耳に響いた。

 

さぶっ。

震えているのは携帯だけではなかった。

 

続く。

 

f:id:hidekinghenry:20161212235636j:image

関口亭@代々木公園

こんな柔らかいハンバーグ食べたことない。デミグラスソースとのコラボが半端ない。一度行くと病みつきになる味。

 

3.7次郎