ふー、やっと終わったな。
次郎は自分の部署の一大イベントが終わり、久々にゆっくり休日を過ごしていた。
ゆっくり昼過ぎまで寝て、家事はせず、マッサージに行き、再び家で寝る。贅沢な時間だった。
さてっと、そろそろ寝飽きたな。温泉にでも浸かりたいところだが、それは来週の楽しみに取っておくとして、、、
まずは夕飯だな。
さてと、なんだか寝すぎで逆に疲れたな。蕎麦にでもするか、、、いやいや、そんなしみったれな発想はだめだな。
なんかこうパワーが出るものだな…やっぱりカレーか。しかし、スープカレーの気分じゃねーんだよなー。
次郎はブツブツ言いながらとりあえず外に出た。夕暮れの空に冬の一番星が輝きつつあった。
寒いな。落ち葉も大分色づいて、どっちかって言うと散り始めてるな。一年ももう終わりか…結局らーめんと豚カツとハンバーグを食べただけだったか……いやいや、そんなことはないか。いろいろあったようななかったような。
ブツブツ言いながら歩いていたが、気がつけば表参道の交差点に出ていた。
うーん、ここまできちまったか。
周囲を見回す次郎。さして目に入るものもない。うーん、と言いながら渋谷方面に向かって歩き出したところ、ハチマキを巻いた若いキックボクサーの看板が目に入った。
そうか、その手があったな!
次郎はいそいそとキックボクサーの横の階段を地下に降りていった。
ギィ♪
イラッシャィマセー
次郎は奥のテーブルに通された。
んー、スパイスのいい香りだ。さてと、いろいろ捨てがたいメニューばかりだな。しかし、ここはやはり、グリーンカレーだな。それと、、、ヤムウンセンもいいなぁ、野菜スープもうまそうだ。ハーフもあるな。よし、決めた!
おい、店員サン!
ハイ!
グリーンカレー。野菜スープもな。
ハイカシコマリマシタ!
ふー。リラックスしている次郎はユリオカも封印した。
俺も大人になったぜ。くくくっ。
次郎は微笑んだ。
さすが微笑みの国だけあるぜ。
次郎は独りごちた。
オマタセシマシタ。
おぉ、いい匂いだ。そそるな♪
野菜も多くていいな。おぅ、いい味付けだ。ピリ辛も少し強いが丁度いいな。これはスープカレー並みにうまいぞ。
さて、野菜スープはと。これは優しい味付けだ。しかし、しっかり味はあるな。この肉団子と春雨が胃を優しく包むぜ。
そして、ラッシーが舌をリセットする。
ぷはーっ。うまかったなー。
正解だったな。タイ料理のchoiceは。
しかし、一人でも充分やっていけちまうな。
ふー、さて会計だ。
テーブルにお金を置き、店を出た。
さぶいなっ。
既に暮れた夜空を見上げた。
青山は明るくて中々星が見れないが、冬は空気が澄んでいるため今夜もオリオン座が美しく見れた。
きっと、もう少しでいいことが起こるに違いない。
ポケットに手を入れて、次郎は再び歩き出した。
ティーヌーン@青山
味はどれを食べてもうまいし、うまくタイ料理感も引き出されている。沢山種類を食べるなら四人ぐらいで行くのがベストかも。
3.6次郎