甘い、スッキリと甘い。
福井の黒龍です。
これはうまいぞマスター。
次郎はつい大きな声がでてしまった。
遅くまで残業した次郎は、どこかで一杯飲まないとやっていられない気分だった。
次郎は以前に一度来たことのある西麻布の日本酒バーに一人乗り込んだ。
ここは日本酒が豊富なだけでなく、お酒に合う小皿料理も豊富で深夜には丁度良い店だった。
一杯目。次郎はスッキリして甘みのある日本酒が飲みたくなって、それをマスターにそのまま伝えると福井の酒、黒龍が出された。
う、うまい。スッキリして、香りも良く、ほのかに甘い。これは進んじまうな。
次郎はひとりごちた。
兄さん、じゃこサラダとエビチリ。エビチリ?そんなのできるのか??
はい、できます。
じゃそれを。
気圧された次郎はユリオカでとは言えなかった。
通風になろうかという状況で、日本酒にじゃこサラダか。先生が泣くぜ。仕方ない、人生ままよっだ!
んー、このじゃこサラダ、日本酒にぴったりだ。たまらねーな。
他の料理もそそるぜ。しかし、ここはエビチリが来るまでは我慢だな。ここに寄れて良かったな。次郎は残業の憂さもスッカリ晴れていた。
はいよ。エビチリです。
おぉ、上品なエビチリだな。味つけはまた日本酒にぴったりだ。
よし、兄さん、もう一杯黒龍を頼む!
上機嫌になる次郎。
よし、唐揚げも頼む!
ますます痛風に近づいていた。
薬も飲んでるし、大丈夫だろ!はははっ。
高らかに笑ってやった。
あ、やばい、薬を飲んでなかったな。すぐにビビる次郎。先が思いやられた。
ふー、これで大丈夫だな。冷や汗をかいた次郎は、お代わりの黒龍に再び我を忘れた。
くー、うまい。そして、この唐揚げがまたオツだな。
ダメだ、俺は幸せだ。
この飯があれば俺はもう何も、、、
言いかけて次郎は口を閉じた。
ふと目をやると、携帯にラインのメッセージが届いていた。
ちっ、なんだこんな時間に。
マスター、お愛想だ。
気分良く代金を支払う次郎。
さてと、携帯の暗証番号をいれながら次郎は店をでた。
、、、。
西麻布の夜は更けていった。
角屋@西麻布
日本酒が豊富で、店主はいろいろ要望を聞いて出してくれる。そして。つまみの料理が全てこじんまりと多種類楽しめて、旨い。
3.8次郎