ちっ。売り切れか。
次郎はいつものように神保町に来ていた。久々にラーメンの覆面智にありつこうとしたが、スープ品切れで敢え無く敗退。
くそ、せっかく神保町くんだりまで来たってのに。今日は休日でどこも休みだしなぁ。さて、困ったな。
だが、神保町は怪しげなB級がたくさんあるからな。探してみるか。
次郎はふらふらと神保町を彷徨った。
んー、チェーン店ばかりだな。しかし、休日は大したことない店も並んでるな。この並び好き民族がっ!自分を持てってんだ。
お、なんだここは、洋食屋か?鉄板焼き屋か、、、まぁまぁの人入りだな。写真を見たら我慢できなくなってきたな。
うーむ、そこまでじゃなさそうだが、えいままよ!
ウィーン♪
次郎は自動ドアをくぐった。
はいいらっしゃいませ〜
疲れ気味の店員が迎えた。
むー、気がすすまんが、よし、牛焼肉定食だ!次郎は食券を買い席に着いた。
ほう、まさか全員鉄板で自分で焼くのか。面倒だな。次郎はブツブツと愚痴をこぼした。
はい、お待ち。砂時計が落ちたら混ぜてお召し上がり下さい。
ほう。きれいな肉だ。とりあえず、待つか。
今回はユリオカ超特Qとはいかないようだな。クククッ。次郎はひとりごちた。
おぉ色が変わってきたな。
少し混ぜるか。
次郎は肉をひっくり返し始めた。
さながらひとり焼き肉だな。次郎さんには一人がお似合いってか。ちっ、おあつらえ向きか。
まぁいい、よし、できたな。
出来上がったら、逆にそうでもないな。まぁお手並み拝見だ。
ほぅ、この和風ステーキソースはうまいな。玉ねぎが効いてる。意外といいじゃねーか。いつまでも肉が熱くていいな。そんなに硬くもないな。
ふん、まぁ許してやろう。しかし、二度来るかはまた別の話だっ!
あばよ、元気のない店員よ。
おまえに俺の元気を分けてやろう。
次郎は目を閉じて、掌に力を込めた。ゆっくりと目を開き、掌を店員にむかって開いた。
一陣の風が吹いた。どやどやと学生が五人入ってきた。
ふん、しっかり稼げよ!
ウィーン♪
次郎は店をでた。なんだか清々しいな。
しかし、10月も半ばだっていうのにまだまだ暑いぜ。
店を去る次郎、件のラーメン屋のおやじとすれ違った。
本当にお客様に優しい肉を使う店的な店名@神保町
セルフで焼く鉄板定食屋。まぁまぁ。まぁ普通だった。、肉は硬くない。
2.9次郎