早稲田はB級グルメ、1人飯屋の宝庫である。
次郎はB級グルメを独り開拓することが何よりの生き甲斐だった。
一人B級飯屋が集まる街はたくさんあるが、次郎は、早稲田、高田馬場、渋谷、下北沢、神田、神泉、三軒茶屋を根城としており、それらの街に出没することが多かった。
そして、今日はまた高田馬場の街を歩いていた。
最近ついつい高田馬場に来ちまうな。
仕方ない、気がつくとってやつだからな。同じ街にばかり赴く自分に言い訳しながら、次郎は早稲田通りこら神田川方面に歩いた。
この学生の賑やかさと、ごちゃごちゃした街並みがいいんだよな。懐かしいぜ。
ふー、それにしても高田馬場はとんかつ屋の宝庫だな。成蔵、とん太、とんき。もはや、聖地だな。俺も流行りの聖地巡りと洒落込むか。
君の名は、、、次郎ってな。クククッ。
次郎は独りごちた。
ん、店構えは立派だか、、、こんなとんかつ屋みたことないな。しかし、安いな。ロースカツが690円か。ココイチみてーなカツを出すんじゃねーだろーな。
、、、しかし、ちょっと惹かれるな。えい、ままよ!行くぜ俺は。
俺の名は、次郎!
気に入っていた。
ガラガラ♪
へい、らっしゃい。
素敵な笑顔の店主だった。
店が新しくて綺麗だな。
ほんとに安いな。メニューを見るとどれも他店より150円程度安いと感じた。
ふむふむ。厨房も綺麗だな。
これは、期待しちまうぜ。
よし、おやじ、ロースカツだっ!
俺の名は次郎だっ忘れるな!
はいよ。
最後のフレーズは流された。
ふー、なかなかいい腕さばきしてるな。
ロース肉の卵への浸かり具合もうまそうだな。
ぐー、
次郎の腹が鳴った。
やばいな、我慢できん。よし、こんなときは瞑想だ!
次郎は目を閉じた。
はい、ロースお待ち!
突然沈黙は破られた。
おお!でかいな!690円なのに。お得感満載じゃねーか!
早速頂こう。
いつものように、半分はソース、半分は醤油で食べる次郎。
おお、肉汁がたまらん。
衣がサクサクだ!そして、分厚いのに柔らかいな!うまひっ!!!
うーむ、これは1100円の価値はあるぞ。うまい。店員のとんかつに対する姿勢もいい。 気に入った!俺は気に入ったぞおやじ!
店の名は、、、いちよしってか。
決まったな。
よし、700円くれてやる、次郎はカウンターに小銭を叩きつけ、店を出た。
ガラガラ♪
暮れなずむ夕陽が神田川を細く照らしていた。
いちよし@高田馬場
690のロースは安い!トッピングでアジフライも250で追加可能。穴場!
3.7次郎