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食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

鷹流 ラーメン

次郎は慣れた足取りで高田馬場を歩いていた。

 

大学で通い慣れた街は、今もあまり変らず学生の街の風情を色濃く残している。

 

んー、店は変わってるが街並みはあの頃のままか。いいもんだ。

しかし、ラーメン屋の数が増えたな。あの頃も多かったが今は更に多いな。まずいところもたくさんあるんだろう。

 

次郎は物色しながら早稲田通りを歩いた。しかし、どの店も安いな。さすが学生の街だ。はしごラーメンも悪くないな。

 

入ってみたいラーメン屋がたくさんあって目移りする次郎。

 

んー、どうしたもんかな、、、。今日はあまりドロドロしたものはやめとくか。となると塩系か。しかし、次郎系が多いな。さすが腹を空かせた学生の街だな。

大人には用無しか?あぁ?

 

街に向かって吠えてみたが、犬の遠吠えにも負けるように、声は雑踏にかき消された。

 

暫く歩くと鷹流という鶏ラーメンの店があった。

お、鶏ラーメンか、よさそうだな。

よし、迷っていてもしかたねぇ、一つ行ってみるか。まずかったら全残しだっ!

 

ガラガラ♪

 

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食券スタイルか。

ここは大人しく一番人気の鶏そば煮卵入りだな。次郎は食券をカウンターに叩きつけた。

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おい、おやじ、半端なものだしたらしょーちしねーからなっ!

 

そう心の中で吠える次郎。水を飲み目を閉じた。隣の女子大生の会話が聞こえてくる。

 

たけしが私のことチョー好きでこまるんだよねー。あいつ、チョーねちっこくない?ま、直人も捨てがたいんだよねー♪両方キープしとこっかなー♪

 

チャラチャラウザいな。貴様らなどラーメンを食う資格はない!カフェドクリエにでも行きやがれっ!

 

次郎はひとりごちた。

 

 

はいよ、お待ち。

突然沈黙は破られた。

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ほう、透き通っていい色のスープだ。どれどれ、ほう、いい味だ。鶏肉も柔らかいな。山椒が効いてるな。麺は細麺か。食べやすいな。

合格だおやじ。

 

どやどやと子連れの客が入ってきた。子供が次郎の肩に当たった。うぉっ、スープが跳ねるじゃねーかっ!ガキどもがっ!

次郎がにらみつけると、情け無いおやじが代わりに謝った。しっかり躾とけってんだ。

 

ラーメンはうまいが、今日は周りの客がイマイチだったぜ。

 

よし、おやじ、880円キッチリ置いてくぜっ!

 

ガラガラ

 

ふー、さてと、早稲田まで歩いてみるかな♪

足取りも軽く次郎は早稲田通りを歩きだした。

 

お客さん、もうお代はもらってるよー!

おやじの声が夜空の満月を震わせていた。

 

続く。

 

鷹流@高田馬場

煮卵入り塩ラーメンがうまい。

スープもスッキリ。しめには持ってこい。

3.5次郎