おやじ!
出てこいやっ!
次郎は、そんな気持ちで家を飛びだした。
体がおやじデブに近づいていることに気づき始めたが、しかし、B級グルメ巡りがやめられない次郎は、イライラが頂点に達していた。
くそ、ラーメンなんてくそくらえだっ!
ラーメンばっかり食ってる奴なんざろくな奴がいねー!おとといきやがれ!
罵詈雑言を吐けば吐くほど、次郎にはラーメンが刻まれ、身体を蝕んでいった。
ぐはっ!
くそ、なんてことだ、気がつけば、神保町のA4出口の階段を上りきっていた。
だめだ、食いてぇ、おらぁーラーメンが好きだ、おやじが好きだ!
泣きながら券売機にお金を入れる次郎。おやじに涙を隠しながら食券を渡した。
あいよっ
突如沈黙は破られた。
今日は浅蜊出し汁ね。
チャーシューも一枚多めにサービス!
次郎の心は一気に解放された。
うめー、うめーよおやじ、やっぱりラーメンはやめられねーよ。バスケがやりたいっすだよコンチクショー!チャーシューが口の中でとろける。このきついしょーゆ味がたまらん。
またくるぜっ!
次郎は丸味を帯びている腹をなぜながら、シャツを壁にかけ忘れたまま、店を後にした。
今週は”浅蜊出し汁の悪い奴”
@覆面智
浅蜊のミキサーが出汁にコクを与え深みがましている。そしてチャーシューがトロケルのよ。
3.8次郎