「昨日興奮して眠れなかったな。早速教授に相談しに行くか。」 眠い目を擦りながら起きる次郎。 高校の非常勤講師も任期を早めに終えて大学に戻った次郎。研究成果を出すのは楽じゃない。今後の自分に少し心配していたところだったが、昨日珍しい文献を発見…
こんな時間か… 次郎は夜18時武蔵境方面から三鷹駅に向かって歩いていた。 今日は、武蔵野市の図書館で調べ物をし、そろそろ帰ろうかというところで、広告代理店で働いている山野部から連絡があった。 昔次郎がある展覧会に関わったときに相手の代理店側で働…
「おいおい、これから行くのかよ!」 次郎は声を上げた。 久しぶりに会う昔の仕事仲間。かなり昔の話だが、相変わらずの暴れ者たちだ。 「いや、こんなときこそしっかり食べないと体壊すぞ。」 まるまると太った観音寺がしたり顔で言う。こいつは昔からそう…
今日は新しい店を開拓したい気分だな。 次郎は今日は午後から研究室に行けば良かった。となると昼飯を自由に平らげてから行けば良いということになる。 であれば、新たな店を開拓するのは必然。 次郎は思いを巡らせた。 高校の非常勤講師もお役御免となり、…
ふぅ。 暑いな。蒸し暑いぜ。 こんな日はやはりラーメンを食べるしかないだろう。 次郎は部屋のベッドで目を開けて天井を見た。 無機質な白い壁があった。 シミもなく新しいため、そこに目を凝らしてもラーメンを想像することは叶わない。 次郎は東京に越し…
こちら↓に引越しました。 心機一転、より物語風にし、他の登場人物も出て、グルメがないこともあります。 https://note.com/jiro_hakodate なお、 もう一つの従来の函館次郎物語は、しばらくしたら再開する予定です。 よろしくどーぞ。 函館次郎
ふー、戻って来たなぁ東京に。 次郎は独りごちた。 新宿御苑に根城を構えた次郎。 春のうららかな散歩を終え、神楽坂までやってきた。 やはりこの辺は面白そうな店ばかりありそうだ。 教授のいる早稲田も近いしな。 さてと… お、餃子かぁ、いいなぁ餃子。 ん…
今日は青森での食い収めだな。 次郎はひとりごちた。 やはり魚だよな。となると寿司だな。 そーなると青森では一八寿司一択だ。 次郎は電車で青森駅に着いた。 駅から商店街をあること5分、ホテルの裏にその店はある。 ガラ♪ いらっしゃい。 予約した函館だ…
さてと、もうすぐ食べ納め、か。 次郎は独りごちた。 今日は弘前の有名なイタリアン、オステリアエノテカ ダ・サスィーノに来ていた。 以前から著名なこのイタリアン、次郎も知ってはいたが、弘前を去るということを決めたことで、ようやく行く気になった。 …
さてと、今日はまたきりたんぽでも食べに行くか。 次郎は昼前、国道7号線を青森から南下していた。今日は大館にフィールドワークがあり、それに向かっていた。 大館に到着は昼前、丁度良い頃合い。 ぐお、まさかの休みか。 「昔のきりたんぽ屋」というきりた…
次郎は車を転がしていた。 教授が青森の大学で講義を行うとのこと。 次郎は暇を持て余していたため、迎えを買って出ることにした。 ふん、俺もいい奴だな。 ちっ、車から雪を降ろすのがめんどくさいが、仕方あるまい。 次郎はそういうと駐車場に向かった。 …
今日はなんだかハンバーグが食べたい季節だなぁ。 フォ! 次郎は窓を開けた。 昨日から降り続いた雪は、 街の景色を一変させた。 白銀に輝く世界というよりは、灰色に垂れ込めた雪景色が眼下に広がっていた。 ちっ、外に出づらい気分にさせるな。 しかし、そ…
ぐお雪か! 次郎は寝起きにカーテンをあけた。 一面の銀世界。 心浮き立つ瞬間。東京ならば… しかし、ここは青森。 本格的な冬の始まり。 むしろ憂鬱な日々への突入だった。 ちっ、ゆきぐに〜♪ 幾三師匠だな。 次郎は独りごちた。 窓が白く濁った。 さてと、…
鴨南蛮が無性に食いてぇ。 次郎は昼寝起き一番に天井を見つめながらそう思った。 善は急げ。 この人生に食べ物以外に重要なものがあろうか? 答は否である。 次郎は独りごちた。心なしか空気清浄機の音が一段高くなった気がした。 ふん。 次郎はベッドから置…
お、なんか蕎麦屋があるな。 次郎は弘前城そばを歩いていた。 時刻は11時半。 うーん、そろそろ昼飯にしてもいいなぁ。 と思ったら蕎麦屋。 岩… いわ、がん?どっちだ? まぁいいか。よし、はいってみるか。 ガラ♪ いらっしゃいませ。 次郎はカウンターに座…
今夜も次郎は大館に向け車を流していた。 大館のきりたんぽと比内地鶏にすっかりはまっちまったなぁ。今夜は比内地鶏三昧といくか。ヨダレがたれるぜ。 次郎は国道7号線を青森からまっすぐ南下した。 お、そろそろ大館だな。いやー、きりたんぽ屋むらさきも…
10度か。まだまだあったかいな。 次郎は国道7号線を秋田方面に流していた。 大館にあるきりたんぽの店に向かっていたのだ。 少し前に大館出身の佐倉山道雪と名乗る陶芸家と居酒屋で出会い、この店を紹介されたのだった。 道雪なんて仰々しい。その名にふさわ…
さてと、次郎さん二軒目はどーしますか? だな。 本郷三丁目の交差点で一人呟いた。 東大からの帰り道、一軒目に淡麗系のねむ琉というラーメン屋でラーメンを食べた後、その足で予告通り、二軒目のラーメン屋を探していた。 本郷通りの交差点を南下していく…
さてと、今日は何処にありつくか… 次郎は本郷三丁目にいた。 最近東京大学のとある考古学研究室に顔を出していた。 知り合いの助教授に呼ばれてのことだ。 昼を過ぎた13時。 そろそろ飯にするか。 次郎はあたりをキョロついた。 む、なんだか雰囲気のある店…
町中華が食いてえなあ。 次郎は高田馬場をぶらついていた。時間は20時 。早稲田大学からの帰り道、町中華を探して街を彷徨っていた。 ん? ムロ…ツヨシか。餃子か。いいな。よし、今夜はここだ。 ガラ♪ いらっしゃい。 1954創業。 ほんとか? 年季は入った店…
駒込か…初めて降り立ったな。 次郎は独りごちた。 次郎は駒込にいた。つけ麺のうまい店があるらしいと聞いたからだった。 駒込駅を南西口に降りるとすぐロータリーがある。巣鴨駅とよく似ている。 南方へ駅を背にして右を見ると六義園が見える。なるほどなぁ…
ここが有名な巣鴨の商店街だな。刺抜き地蔵はどこにあるんだ? 次郎は巣鴨を歩いていた。 今日は生憎の雨。しかし、次郎にとっては好都合。なぜなら雨は客足を遠のかせるからだ。 これで有名店のラーメン屋の列も縮まるはずだ。 ここだな。 次郎は商店街を刺…
あん肝ラーメン…今月はあん肝か。行くしかないだろう。おやじ! 火曜の神保町。ビジネスマンと明治や日大などの大学生で溢れる街。ここに、ラーメンの真髄がある。 次郎はそう思いながら地下鉄の階段を蹴った。 時は9時半。早朝9時から営業する覆面智に向か…
ん?こんなところにラーメン屋なんてあったっけな。 次郎は弘前で車を流していた。 時は14時。 すでに昼時を過ぎているが、その日昼を食べ損ねた次郎はラーメン屋を見たことで腹が空いた。 まあ、今日はここにするか。 車を止め、店に入った。 ガラ♪ む、席…
たしか、この辺に… お、あったあった。 次郎は青森市にいた。 昼は寿司を食べ、ブラブラとやることもなく時間を潰していた。 流石に飽きてきたころ、青森で有名な味噌カレー牛乳ラーメンという代物があると昔の同僚でシニアアソシエイツの柳沢に言われたこと…
お、やってるみたいだな。 ガラ♪ ぐ、なんだ中で6人も待ってやがる。 次郎は藤崎で車を流していた。青森に向かう途中、いつやっているのかいつもわからないラーメン屋、麺屋謝(と書いていやびと読むらしい)の前を通りがかった。 お、今やってそうだな。よし…
あぢー。 流石に東京は暑いなぁ。 次郎は本郷三丁目を歩いていた。 本郷三丁目は南にいけば東京医科歯科大、北に歩けば東大がある、言わずと知れた大学街。 次郎は昔から大学のある街の落ち着いたしかし若々しい風情が好きだった。 何より学生向けにうまくて…
このCコースで。 かしこまりました。 それにしても、男二人でフレンチか。 旧友の水鏡はニヒルな顔で呟いた。 ふん、たまにはいいだろう、何せ10年ぶりだ。弘前の豪勢な飯にありつくこともなかなかあるまい。 まぁそうだな。お手並拝見といくか。 次郎は10年…
世間では土用の丑の日などと勝手に盛り上がっているが、この次郎様はそんな平賀源内のマヤカシは通用しないぜ。 次郎は黒石市でフィールドワークをした後、仲間達が土用が近いのでうなぎを食べに行くと言う誘いを断っていた。 ふん、柳沢の奴、得意満面な顔…
いやー、寿司うまかったなー。 大間崎はここか。 本州最北端か… ん?こんなところにもマグロ屋があるな。 んー、あっという間の寿司だったからなぁ。 大間に来ることもほぼ無さそうだし、梯子するか。 次郎は思い切って入店した。 いらっしゃいませ。 次郎は…