銀座
次郎は京橋を歩いていた。銀座で以前働いていた会社の同僚、寝屋川と会う約束をしていた。 あ、次郎さん。こっちっす。すす。 お、おお。久しぶりだな寝屋川。 はい、ここのカレーうまいんすよ。すす。 ふーん。南インドね。 そういえば、以前も銀座あたりで…
次郎は新富町に宿を取っていた。午後に銀座でアポが入っていたため、ゆっくりと起き、歩いて新富町から銀座に向かっていた。 ん?なんだありゃ?豚がいるな。 歩いていると豚がいるバルのような店があった。 ビストロか。昼は豚肉料理ばかりをだすのか。 11…
この居酒屋的肉々しいメニュー。本当に憎らしいぜ。 次郎は独りごちた。 次郎くん。この前は慌ただしかったからな。今日はたくさん食べれるだろう。 ですね!教授! 次郎の声は弾んだ。 前回教授と訪れたとんかつ屋西邑。次から次へと予約で一杯だったため、…
先輩、こんなところで何してるんすか!! お、おぉ早乙女。久しぶりだな。 どうした?なんか歩きづらそうだな! はい、最近ヘルニアやっちゃって腰庇ってたら足まで痛くなっちゃって… そうか、お互いもう若くないからな。気をつけないとな。 そうっすね。 ど…
おう、次郎くん。元気か? き、き、教授! 次郎はランチでフラリと入った高田馬場の喫茶店で学生時代の教授に出会った。 懐かしいな。最近何してるんだ? い、いやぁ、まぁぼちぼちやってますよ。 教授は? まぁ似たようなもんだな。ぼちぼちやってるよ。は…
ぐ、間に合わねぇ。 次郎は永田町駅にいた。 市ヶ谷にあるチーズハンバーグの店に行こうとしたが、時刻は13:50。ラストオーダーが14時。絶望が次郎を襲った。 ちっ。 有楽町線永田町駅のホームに滑り込んで来た反対方面の列車に咄嗟に体を滑り込ませた。 ふ…