函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

鏡花

ふん、何が華厳の滝だエラそうに。

次郎は独りごちた。

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次郎は休日、立川にいた。時間は早いが腹が減ったためラーメン屋を探した。うまそうな店はいくつかあったが、徒歩ではやや遠く、近間にあった鏡花という店に入った。

チャーシュー麺が1100円。割高だった。

 

いらっしゃいませ♪

かわいい店員が応じた。

 

ふん、いくらかわいくたってな…

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…。

 

チャーシュー麺。ユリオカでな。

 

はい、かしこまりました。

ユリオカの意味をわかってなかろうに。この青二才がっ。

 

 

次郎は通常ここで目を瞑るところだが、この店の華厳の滝が見たかったため、厨房を凝視していた。

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チャッチャッチャッ♪

小気味いい音だが、普通の高さだな。むしろオヤジのところより動作が小さいぞ。

 

チャッチャッチャッ♪

どうやら華厳の滝にはお目にかかれなそうだった。

 

どこに華厳の滝があるんだ?あぁ?

言葉は虚しく 雲散した。

 

 

はい、お待ち。

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!?

お、早いな。ユリオカってことか!?

 

匂いはいいな。すっきり醤油か。俺好みだ…

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い、いかんいかん。その好みじゃねーよ!

次郎は独りかぶりを振った。

 

ズルズルッ、ズズッ!

 

ほう。麺にコシがあるな。チャーシューもうまい。

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ズズッ、ズルズルッ。

 

ほう、スープも見た目の予想通りだが、味は悪くないな。

 

ズズッ

 

ズズズッ

 

ズズズズズッ

 

ふぅー。ごちそうさんっと。

 

なかなかだな。

立川は他にもラーメン屋がたくさんあるなかなかの激戦区。

また来るかはわからんが。とりあえずは満足だ。

 

ガラガラ♪

しかし、立川は都心からは遠いな。

 

店を出た次郎を迎えたのは相変わらずの曇天だった。6月の蒸し暑さが次郎の額に髪の毛をへばりつけた。

 

しばらく梅雨は続きそうだった。

 

 

 

 続く。

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鏡花@立川

立川は意外とラーメン屋が多い。スッキリ醤油ラーメン。上品な味で食べログではなかなかの高評価。しかしパンチ力不足。

3.3次郎

 

神保町ゴールデンコース

やはり、ラーメンはオヤジの店に限るな。

次郎は神保町にある覆面智を出て黒烏龍茶を飲んでいた。

今日は鮑出し汁の濃厚な醤油ラーメン。鮑の濃厚な黒色のスープが鼻腔から脳を刺激する。そこに出し汁に煮込まれた細かな豚肉が合間って絶妙な味を醸し出していた。そして、それに覆いかぶさるようにしてホロホロと口の中で溶けるチャーシューとシャキシャキのネギ、そして隠し味の青唐辛子のハーモニーが次郎を昇天させた。

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ありえねぇ。やはり幸せは今ココにあるんだ。

スープを飲み干してレンゲを器に置いたコトリという音で、なぜかこの前銀座で出会い丸ノ内線まで送ったフォウの顏が思い浮かんだ。

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ふん、もう二度と会うこともないのになぁ。人は失くしてから初めて気がつくもんだからな。

次郎は独りごちた。

 

 

じゃあなオヤジ!

あいよ、またねー♪

 

オヤジの声を背中に浴びながら次郎は店を出た。

 

さて、と。一杯コーヒーでも飲むか。

そういえば、文豪が通った喫茶店があるらしいときいたな。

次郎は神保町の古書店街の裏道に入った。

おぉ、あったあった。

 

ラビオリ。

ウィンナーコーヒー発祥の店と言われている喫茶店。

店内は昭和風な内装で統一されていて薄暗い。

 

カランコロン♪

一人だ。いつも一人だ馬鹿やろー!

次郎は呟いた。

 

奥へどうぞ。一人席に通された。

さてと…

 

時間は13時。隣にはランチを食べている女子大学生がいた。

ランチにはチキンカレーとナポリタンがあるようだ。うまそうだな。ペチャクチャと話に花が咲いている女子大学生のカレーをチラ見した。

 

いい匂いさせやがる。いかんいかん、危うく注文してしまうところだった。次はここのカレーを食べてもいいかもな。

次郎はひとりごちた。

 

おい、店の女、ウィンナーコーヒーを頼む。

はい、かしこまりました。

 

次郎は神保町の古書店で一冊の本を買っていた。

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銀河英雄伝説

前から気になっていた冒険ものの小説だった。

次郎はゆっくりとページを繰った。

 

プロローグで概略が語られ、帝国軍と同盟軍、両軍ともに若き天才軍略家が現れるシーンだった。

 

 

お待たせしました。

突如沈黙は破られた。

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ほう、うまそうなウィンナコーヒーだ。

ズズッ。

溶けた生クリームの柔らかな甘さが次郎の口に広がった。そしてその後にはコーヒーの苦味が広がった。

 

むー、絶妙のバランスだ。

 

二人の若き天才軍略家はお互いの国の老兵たちの常識に囚われない戦法で合間見え、互角の戦いをした。後の活躍が期待される緒戦だった。

まるでスターウォーズだ。

いや、またはZガンダムか。

 

Zガンダム

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ちっ。すぐにそっちにいっちまうな。

次郎は独りごちた。

 

ふー、うまかったな。コーヒーも戦い方も。

 

おい、女の店員、お代は置いてくぜ。釣りはとっときな!

ピッタリの500円だった。

 

 

カランコロン♪

ぐぉ、眩しいな。

3時の陽射しが強烈に次郎の体を射抜いた。

 

射抜かれたのは俺の心の方か…

次郎は照りつける太陽を薄目で見て、

再び前方に目を戻した。

 

さてと、帰りは半蔵門線か…

呟いて地下鉄の奥へと消えていった。

 

続く。

覆面智からの喫茶店ラビオリ。

ランチのゴールデンコース。

覆面智では毎週月曜は数量限定の鮑出し汁。とても濃厚でクセになる。3.8次郎

そして、その後ゆっくりアンティークな喫茶店ラビオリでウィンナーコーヒー。3.5次郎

至福のはしご。

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銀座はしご 担々麺

ふん、臆病者がっ!

次郎は独りごちた。

 

次郎は久々に外国に住んでいた頃の友人と夕食を共にした。

 

それぞれ立派に成長し、気がつけば所帯を持っていないのは次郎のみ。

 

ふん、どいつもこいつも結婚か。子供か。夜泣きか。待機児童か。

俺自身が待機児童だよバカヤロー。

次郎は銀座の夜空に向かって叫んだ。

 

友人達は早々に銀座の街を後にしたが、次郎の夜は綺麗に終わる筈がなかった。

 

ふん、臆病者がっ!

なんだかムシャクシャするな。

 

金曜夜の銀座は浮かれた男女でごったがえしていた。

 

銀座駅にほど近いヒムロというラーメン屋に突っ込もうとした次郎だったが既に満席。

ちっ、舐めやがって。後悔させてやるっ!

次郎は独りごちた。

 

他のラーメン屋は…

 

……

 

 

おぉ!そういえば担々麺のうまい店があった筈だ!そして、数寄屋橋からも近かった筈だ。

 

次郎は浮かれた男女をかき分け、件の店に着いた。

 

ガラガラ♪

 

いらっしゃいませ。

扉を開けると待合客が待合席を埋めていた。

 

く、ここも満席か。いや、しかし回転は早そうだ。次郎は店にたむろする中国人たちを押しのけ待合席に座って目を閉じた。

 

 

お客様、こちらへどうぞ。

ほう、意外と早かったな。

程なくカウンター席に案内された。

 

 

排骨担々麺だ、バカヤロー!

座ると同時に注文し、再び目を閉じた。

 

 

はい、おまち。

おお、ユリオカだな!ははっ!

幾分機嫌も直ってきた。

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ほう、旨そうだ!

排骨がそそるな!

 

次郎は排骨にむしゃぶりついた。

うほー、うめー!良い辛さだ。

 

ズルズルッ!

麺にもこの濃厚なスープが絡んでうまい!

うまいぞおやじ!

 

ズルズルッ、ズズズ、ズズズズ。

 

プハー。

 

完食だった。深夜の排骨担々麺。順調に腹が出た。

 

 

釣りはいらねーよ!

次郎は千円札をカウンターに叩きつけた。

丁度1000円だった。

 

 

ガラガラ♪

 

 

店を出て空を見上げると、銀座のネオンは怪しく輝いていた。

 

ドンッ!

うぉうっ!イテっ…!?

 

大丈夫か?

Zガンダムのフォー・ムラサメを彷彿とさせる妖艶な女性が次郎にぶつかり、そのまましなだれかかる。

大分酔っているようだ。

 

お、おい、しっかりしろ…

 

んん…

次郎から離れない。そして、良い匂いがする。

今度のも!

フォーは意味不明な言葉を吐き、目を閉じた。

 

ダメだこりゃ。

次郎はフォーを連れて丸ノ内線まで彼女を送り、車内の席に座らせた。

 

ありがとう…

フォーは次郎の目を、潤んだ瞳で見つめ、再び目を閉じた。

 

 

…じゃ、じゃあなフォー。

 

 

プシュー。

無情にも電車の自動扉が閉まった。

 

口惜しさが一縷次郎の胸をついた。

しかし、電車は動き出した。

 

フォーは窓から次郎をチラリと見た。

電車は遠ざかっていく。

 

名前を聞けなかったな…

ふん、そんな夜もあるか。

 

次郎は混雑する構内を銀座線に向かって再び歩き出した。しかし、車両のいなくなったホームを振り返った。

線路とその先に暗闇だけがあった。

 

次郎は雑踏を再び歩き出した。

 

 

続く。

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排骨担々麺といえば渋谷の亜寿加か銀座のはしご。濃厚なスープに食べやすいボリューミーな排骨。飲んだあとにも至高の一杯。

3.7次郎

 

 

 

札幌 ジンギスカン だるま

ガラガラ♪

 

1人だ。

深夜一時半。次郎は仕事で札幌にいた。

くだらない会食を片付けて、次郎はいそいそ件の店に来た。札幌に滞在するときは必ず3軒目に寄る店、だるま。

 

札幌では締めのラーメンという選択肢はない。あるのはこのジンギスカンスープカレーだった。今夜スープカレーはお預けだ。

 

よし、肉1枚とキムチ頼む♪

はいよ♪

 

店のおばちゃんとの何気ないやりとりを楽しむ。ふん、こんなことが嬉しいなんて、俺も歳をとったな。

次郎は独りごちた。

 

肉が出てくる前にまず大量の玉ねぎが出てくる。

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真ん中に脂身を置き油を敷く。鉄鍋の頭の部分から油が周り玉ねぎがキツネ色に色づいていく。

 

んー、いい匂いだ。

はい、肉ね。

小皿に生肉が置かれた。

次郎はそれを一枚一枚丁寧に乗せていく。

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くぁー、旨そうだ。

この間にキムチを食べて焼けるのを待つ。

待てば海路の日和ありってか!

 

ははっ!風雅なこというなおばちゃん!

言うなり次郎は焼き上がったラムを秘伝のタレにつけて頬張った。

 

ぐはぁ。タレと肉のコラボがたまらん。 

うまい!

 

おばちゃん、もう一枚!

ぐはぁ、うめー!

 

深夜二時。

札幌の夜は更けていく。

 

続く。

 

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札幌といえばジンギスカンジンギスカンといえばだるま。定番。すすきのにあるジンギスカン。タレが抜群にうまい。おすすめは3軒目。さっぱりしてて締めに最適。

3.7次郎

 

甲賀 蕎麦屋

次郎は西麻布を歩いていた。

時雨のような雨が降る夜だった。

仕事が立て込んで疲れとストレスが溜まっていたため、なんだか優しい料理が食べたかった。

 

ふと見ると、西麻布の交差点にほど近い小道に、一瞬店があるときづかない店があった。

 

他の誰かがそこの建物に入っていくのを見て、その入り口に近づくと、そば 甲賀とあった。

 

柔らかい光が店内から漏れていた。店内の優しさと蕎麦という料理の優しさが次郎の心をかきたてた。

 

気づくと次郎は引き戸を開けていた。

 

ガラガラ♪

 

いらっしゃい。ご予約は?

お上が怪訝そうな顔で覗く。

 

予約していないのだが。一人だ。

 

お上は少し逡巡したあと

 

奥のカウンターへどうぞ。

 

次郎は恐る恐る店に入った。

 

満席ではないが、静かな店だった。このあと予約が入るのだろうか。訝しげに先に座した。

 

カウンターは竹で暖簾がかかっており、その隙間からうっすら料理人が見える。

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メニューはシンプルだった。

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次郎は少し考えて、海老天そば、そして鮪の山かけを頼んだ。

 

待つこと10分。

 

はいお待ちどお様。

 

突如沈黙は破られた。

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ほう、うまそうだな。海老天があつあつだ。

 

さてと、ズルズル。

 

む、腰もある。上品な味だ。出汁も優しい味だ。今日の俺を優しく包んでくれるな。

ホッとするぜ。

 

 

そして、この山かけだ。アッサリしてうまそうだ。俺の胃も休まるが、しかし満足できる。

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これはいい店を見つけた。

 

 

ズルズル、ズズズ、ズルズル、ズズズ♪

 

隣の客の蕎麦をすする音が耳に心地いい。

 

次郎も自分の蕎麦をすすった。

 

ズズズズズ、ズルズル、ズズズズズ…

 

 

ズルズル、ズズズズズ、ズルズル…

 

 

ふー。

ごちそうさん

 

癒されたぜ。

 

おい、お勘定を頼む。

 

2700円です。

 

まぁ西麻布価格だな。

 

また来るぜ。

 

ガラガラ♪

次郎は颯爽と店を出た。

 

まだ時雨が夜の西麻布を包んでいた。

今はなんだかこの雨ですら優しく包んでくれているように次郎は感じた。

 

 

今夜はウィスキーがうまそうな夜だな。

次郎は独りごちた。

 

西麻布の喧騒は一時止んで静かな夜は更けていった。

 

続く。

 

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おそばの甲賀@西麻布

渋い隠れ家的な店構え。品のある店と味。

たまに寄りたくなる家のような存在。ボリュームがないため価格は割高か。

 

3.3次郎

かつ吉

うーむ、いい天気だな。少し暑そうだが…

こんな時はテラス席でゆっくりしたいいもんだな。

 

次郎はベッドの上で早速ググってみると、ガブリというステーキ屋が渋谷にあり、そこはサラダバーがついていてテラス席もあるとのことだった。

 

ステーキにはそこまで期待できんだろうが、いってみない手はないな。

次郎は独りごちた。

 

 

青山から六本木通りに出て渋谷に向かった。途中で並木橋方面にくだって明治通りにでた。

 

件のテラス席は道を渡らねばならないが、明治通りは横断歩道が少なく結果渋谷駅近くまで来てしまっていた。

信号を待っていると、何やら弁当を買いに列をなす一段が見えた。

 

これは匂うぞ。

近づいて見ると重厚な店構えのとんかつ屋があった。かつ吉か…聞いたことあるな。どうするか…やはりテラスよりとんかつだな。

逡巡したものの、次郎はかつ吉に吸い込まれていった。

 

ガラガラ♪

 

なに!

まだ1130だというのに既に待ち人が数名おり、店内にも客が入っていた。

 

受付も重厚な雰囲気だった。

 

ふー、なんだか席が空いてそうなのになんで待つんだ?あぁ。

次郎は独りごちた。

 

程なく呼ばれカウンターに通された。大きなメニューが立てられていた。

このメニューはとん久みたいだな。

まぁいい。

ふん、結構高いな夜メニューは。

 

てごね牛カツにもひかれたが、思い切ってかつカレーにした。前日のカレーが尾をひいていた。

 

よしおやじ、かつカレーを頼む。

 

はいよ!

無料でライス大盛りにできますが?

 

いや、いい普通だ。

 

次郎は眼を閉じた。

 

 

はい、お漬物です。

おかわり自由です。

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なんと、お代わり自由か。これは人気になるな。どれもうまいな。ちっ、大盛りライスの誘惑が押し寄せるな。

いかんいかん。ここは、我慢だ。

 

はい、サラダです。

お代わり自由です。

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ほう、キャベツもお代わり自由か。ますますサラリーマンで混むわけだな。

 

厨房にはひっきりなしにオーダーが入る。しかし、牛カツとカツ丼ばかりでかつカレーはほとんどなかった。

 

ふと隣を見るとめちゃくちゃでかいエビフライを若いリーマンが食べていた。

ほう、あれもうまそうだ。

食べる前から不謹慎だが、再訪あるなこれは。

次郎は独りごちた。

 

はい、お待たせしました。

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赤出付きか!しかも量も多い。コスパがいいな。

どれどれ、カレーはシンプルに見えるが…

 

ほう、うまいじゃないか。味はサッパリしてるがコクもある。とんかつに合いそうだ。

お、とんかつもいい感じだな。

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塩をかけてと。とんかつをカレー以外の味で味わうのも、かつカレーの醍醐味だな。

 

脂が乗ったとんかつだ。うまい。

 

これは箸が進む君だ!

クククッ

 

サラダ、お代わり!

意識して野菜を食わないとな。

 

ムシャムシャ

 

ズズズッ

 

赤出もうまい。

 

ふー。ご飯は少し残すとしよう。

しかし、大満足だな。

 

こんな店があったとは。

 

会計だ。

 

1550円です♪

安いな、あんだけ食って。

 

ガラガラ♪

 

ぬおぉ、熱いな。いつものあそこでコーヒーでも飲むか。あの店員はいるかな…

再び自転車で漕ぎ出す次郎。

真昼の陽射しは次郎の肌を焦がした。

 

しかし、コーヒー屋に待つ何かが次郎の心も焦がし始めているようだった。

 

 

続く。

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 かつ吉@渋谷

昔からありそうな店構えのとんかつ屋。店内は広い。サラダと漬物がお代わり自由。とんかつもうまい。カツ丼、生姜焼きも後ろ髪が引かれる。ランチはコスパもいい。再訪必至。

3.6次郎

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘンドリクス カリー バー

このところ次郎は毎日プールに通っていた。

 

毎日泳ぐようになると、泳がない日は逆に体が気持ち悪いような感覚に陥っていた。そんな感覚に嬉しさを覚え始めた次郎だった。

 

そんな中、いつも神宮のプールに行く途中に数件の気になる店があったが、自転車の下り坂は気分が良く、後ろ髪がひかれるものの通り過ぎてしまっていた。

 

 

さてと、今夜はいつもの倍も泳いだことだしな、何か食べて帰るか。

 

時刻は午後6時。

少しググってみると、いつもなんとなしに見ていたバーが、実はカレー屋らしいということに気づいた。

 

 

これは一人で入れそうだ。

行ってみるか。

次郎は独りごちた。

 

ラドウィンプス カリー バーはと…

ん?ここか?

 

なんだヘンドリクス カリー バーか。ラドウィンプスはなんだっけかな。まぁいいか。

 

夜の7時。既に店内は賑わっていた。

 

お一人?

 

あぁ。

 

じゃあこちらに。

店は夫婦で切り盛りしており、忙しそうで次郎はほっとかれた。なんだ水もでねーんだな。まぁいい。バーということか。

 

さて、黒板には小皿メニューがたくさんあり、ただのカレー屋ではなかった。

 

タンドリーチキン系も、串で丁寧に焼かれていた。

 

む、うまそうだ。店主の質実剛健な感じが伝わってくるな。

 

どうなさいます?

突如沈黙は破られた。

 

店主の妻だろうか、促され、春菊と納豆のサラダ、ラム肉の塩麹ティッカ、マサラカレー、ハイボールを注文した。

 

 

ここは、だれかと来た方がよさそうだ。

次郎は独りごちた。

 

 

隣ではおやじが若い女性を口説いていた。

 

ふん、まぁいい。

次郎は眼を閉じた。

 

はい、サラダです。

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ほう、なかなかのボリュームだな。

どれどれ。

 

ほう。ノリと紫玉葱、春菊、納豆が口の中で弾ける。豆板醤とラー油か?ピリ辛の味が納豆にマッチする。これはうまい。ハイボールが進むな。

 

まずは、前哨戦は合格というところか。

 

相変わらず隣のジジイは若い女性を口説いていた。日本酒は飲める?

 

飲んでからどーするというのだ?あぁ?

ふん、まぁいい。

 

はい、ハーフナンです。

 

先にナンがきちまったか。

ふん。

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あ、あつ!

ナンは予想以上に熱かった。

 

ふー、舐めてると痛い目に合うな。

 

はい、キーマ・マトンカレーです。

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ほう、うまそうだ。

これはナンが生きるな。

 

 

うまいなこれは。あぁキーマカレーは肉がうまいんだよなー。ナンに合うなー。

 

はい、ラム肉のティッカです。

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うまそうだ。

いいなぁ、このタンドリー感。んー、うまいな。これはなんだか他の料理も食べたくなってきたな。

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君が頑張るなら力になるよ。

ありがとうございます。それにしても美味しいですねこのカレー。

 

ふん、そりゃあうまかろう。それは出世の味か、ジジイの味か。

 

まぁいい、俺はカレーに集中するのみだ。

 

ゲフッ

 

うまかったな。

これはまた来たいな。

 

3090円です。

コスパはまぁ普通だな。

 

また来るぜ。

さてと、二件目はどこにいくのかお二人さん。

 

次郎ほ自転車に乗って神宮前の坂道をあがっていった。夜風は気持ちよかったが、今夜は六本木ヒルズのタワーがやけに怪しく光って見えた。

 

続く。

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 ヘンドリクス カリー バー@神宮前

カレー屋。しかし、小皿料理が充実。店主はあまりしゃべってくれないが、味は確か。誰かと来るのもいいが、駅から遠いにもかかわらず結構混んでいる人気店。

3.5次郎