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食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

味仙 台湾ラーメン

いつになく次郎はソワソワしていた。

 

ふん、名古屋と言えば手羽先、味噌カツ、櫃まぶし。この3種の神器だ。

 

しかーし、俺が誘われているのは、そんなトーシローの王道メニューじゃねぇ。名古屋は今台湾ラーメンなんだ。

そして、ここ、台湾ラーメンの中でも最も勢いのあるチェーン店味仙。今夜はここで一戦交えるぜ。

 

次郎は長い長いブレスとドローインを行い、姿勢を整えた。道すがら、不審な顔をして次郎を振り返る人々。

 

ふっ、愚民どもには俺の内在的な筋トレなどわかるまい。いいのだ、知らなくていいことも世の中にはたくさんある。それがお前らの幸せというものよ。

 

次郎は北斗の拳の羅王を意識した。

 

そんなことはどうでもいい。あじせんはどこだ!?

 

おお、ここだな。次郎は名古屋は矢場町の味仙に到達した。

 

ガラガラ♪

 

くっ、広いな!そして、なんだ中国人かっ!23時だというのに活気がありすぎる!

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店内をよく見回すとミセンとあった。

ふん、まぁいい。店の名前など小さきことよ。

 

羅王を意識した。

 

おい、店員!

次郎は手を挙げた。

 

ハイ。

中国人のイントネーションだった。

 

台湾ラーメン、野菜炒め、ミニチャーハンだ。

速やかに頼むぞ。

 

フー。次郎はロングブレスを意識した。

 

ハイ。

 

なんだハイしか言えんのか!

まぁいい。さぁ行け、名も無きものよ!

 

スー、フーーーー、

フーーーー、スー

 

次郎は目を閉じてロングブレスを意識した。

 

スー、フーーーー、

フーーーー、スー、

 

 

ハイ、オマターセシマシター♪

突如沈黙は破られた。

 

 

次郎はゆっくりと目を開けた。

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なかなかのボリューーーーー、スー、

だ。フーーーー。

 

すでに23時を回っているが…

えい、ままよ!

 

次郎はラーメンの麺を持ち上げた

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フーフー。風を送り、ズルズルッ!

勢いよく吸い込んだ!

 

 

がはっ、ごほっ、こほっ、ごほごほっ!

 

か、辛い!

辛いゾーーーーー!!!

 

唐辛子が半端なかった。

か、辛い!!

何口かトライするものの、なかなか吸い込めない次郎。こんな辛いラーメンは初めてだった。むしろ痛かった。真冬だというのに、汗が頭から噴き出した。

 

くっ。とりあえずチャーハンと野菜炒めだ。

むしゃむしゃっ。

ふー、まだラーメンの辛さが残っていて、熱いものがすべて辛く感じてしまうものの、チャーハンも野菜炒めもうまかった。

 

メニューをよく見ると辛さ抑えめのアメリカンなるメニューもあった。

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ふ、こんなトランプもどきに負けてたまるか。中国はアメリカを倒すはずだ。ならば俺はその中国を倒してやろう。

かっかっかっ!

高らかに宣言し、次郎はふたたびラーメンをかっこんだ。

 

ズルズルッ

 

がはっ、かっ、ごほっ、ゴホゴホっ!!、、、

 

だめだ、歯が立たん…

気がつくと次郎は、泣いていた。

 

敗北とはこのことを言うのだろうか…

今日の日のこと、忘れないこととしよう。

チャーハンと野菜炒めを食べ、台湾ラーメンを残した。

 

 

名古屋の戦いはあっけない幕切れとなった。

会計を済ませ、次郎は外に出た。

外気は店内の熱気が嘘のように冴え冴えとしていた。

 

スー、フーーーー、

フーーーー、スー、フーーーー…

 

 

次郎のロングブレスなため息だけが街を白く覆っていた。

 

 

続く。

 

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台湾ラーメン味仙@名古屋矢場町

台湾ラーメン。辛い!うまいけど、辛すぎて食えん。次はアメリカンしかないかと。保険で頼んだチャーハンも絶品でした。

 

3.3次郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

覆面智⑤ ヤバイ奴 上海蟹

オ、オヤジ!

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午前950。既に列は出来ていた。

まるで開店前のパチンコ屋さながら、覆面智の横に列はできていた。

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オヤジからの突然のツイート。

急遽メニュー変更、上海カニでヤバイ奴を…

 

次郎は何気なくオヤジの更新を見た。普段は写真をツイートしないオヤジが上海カニの写メを投稿。その特異性に次郎は言葉を失った。

 

オ、オヤジッ!

ついているのかついていないのか、次郎はその日たまたま仕事が抜けていたため、朝10時からの開店を目指し950に覆面智に到着した。しかし、すでに列はできていた。

 

ちっ、さすが強者どもが集まってるな。

店の前にはラーメンの告知があった。

いつものスタイル。上海カニのヤバイ奴。勿論それはいい。しかし、その隣に小さく書いてあった文字に目がいった。

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ゴリラ ラーメン!!

次郎は目を疑った。

ま、まさかオヤジ、カニだけでなくゴリラまで…いくら上海が中国とはいえそりゃあなしだろぉ!

 

 

と思ったが見間違えだった。

ゲリラ ラーメン!!

とあった。確かに今回は急遽のメニュー変更。ゲリラ的だ。

まるで郷ひろみのゲリラライブ。ラーメンはまさにライブそのものだ。

 

 

オ、オヤジ!

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オヤジの背中にそこはかとない自信と熱量を感じていた。

 

上海カニは高級食材。それを大量に使うとあって値が張った。1800円。ラーメンにしては驚異的だ。しかし、オヤジの腕に間違いはない。

 

次郎は並んでいる最中に、にやにやした通りすがりの白髪くされおやじに、

 

 

ここのラーメンうまいんすか?こんな朝早くから。しかも1800円!どーなんすか?

 などと話しかけらた。

 

 

黙れ、ど素人。次郎様に話しかけるなど100年早いわ。

早くここから去ね。さもなくば貴様は5秒以内に死ぬ。さぁ、早く立ち去るが良い。

 

次郎はカマした。人生は常にカマしが必要だ。

うろたえた白髪くされおやじは、力なく立ち去った。

 

ふんっ、くそが。テメーの人生には挑戦も無ければ栄華も無いわ!

次郎は立ち去る白髪くされおやじを背中からも罵倒した。 

 

そして次郎の順番が回ってきた。

次郎は、カウンターに座すや否や叫んだ。

 

大盛りで!!

 

さすが。さすがだ俺よ。朝10時から大盛りに手を出すとは。ゲリラ戦は局地勝負。常に神出鬼没だ。

 

既に雑魚を一人仕留めた後で戦意が上昇している次郎。

 

俺の大盛り!はすこしはオヤジに効いているといいが。

 

次郎は水を飲み、目を閉じた。

 

 

はいよ。

 突如沈黙は破られた。

 

 

来たか。ゲリラが。

む。カニは出汁だけと言っていた。見た目はとてもシンプルな悪い奴だった。

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くっ、シンプルな悪い奴ですら十二分にうまいのに…どんな出汁の味がするってんだっ!!

 

次郎は恐る恐るスープを口に運んだ。

 

ふほっ!!

 

なんじゃこりゃ!カニが口の中ではじけだした。ぐぉ、醤油スープとカニが絶妙に絡み合い、それに豚バラから出た出汁がこの小さな器の小宇宙の中で、まるでブラックホールができる直前のように集まっている。

 

まさに次郎はその芯に迫ろうとしていた。

 

くひょー!!うまいぞぉぉ!

ダメだ我慢できん!

 

次郎は豚バラと麺を一気に口に放り込み、そして同時に、レンゲからスープを流しこんだ。

 

 …

 

幸せってのはこういうことを言うんだ。次郎の頭の中で、電流が弾けた。悪い奴オリジナルの豚ばらチャーシュー。その醤油味がこのスープに絶妙なハーモニーをもたらし、黄色のちぢれ麺が主張しない程度にうまく絡まってくる。トッピングの青唐辛子がこれにキリリとしたスパイスを加え、荒々しいながらも完璧に調和した醤油ラーメンが出来上がっていた。

 

ズルズルズルッ!!

 

ズズズズズズッ!

 

ズルズルズルッ!!

ズズズズズズッ!

 

 

ぷはー。

 

気づくと次郎は、数年来禁じ手としていた、スープ全飲みの術までやってのけてしまっていた。

 

 

くっ、ダメだ。涙が出そうだ。

俺のコスモが限界を超えた。

このままもう一杯いける。そこまでのものだった。

ふん。あの白髪くされおやじは一生味わえない幸せ、俺は味わった。挑戦無くして成長なし!

 

かっかっかっかっ!

次郎は高らかに勝名乗りに似た雄叫びをあげながら店を出た。

 

未だ1030。次郎の休日は始まったばかりだった。

 

続く。

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覆面智@神保町

たまに行われるイベント的ラーメン。いや、ゲリララーメン。今回は上海カニの悪い奴、通称ヤバイ奴。確かにヤバイほどうまい。中毒性高し。

4.1次郎

 

 

 

 

 

 

 

韓国料理屋 シドニー

次郎さんは、シドニーでお友達ととても楽しく過ごしましたとさ。おわり…

 

ふん、終わるわけがないだろう。

次郎は独りごちた。

 

さて、かの地シドニーも最後の夜。

旧友たちと最後の晩餐を終え別れを惜しんだあと、次郎はホテルに戻ると軽装に着替え最後の探査に向かった。

 

最後になっちまったが仕方ない。これを食えずに終われるかってんだ。

 

次郎は歩き慣れたジョージストリートをタウンホールに向かってズンズン歩いた。

 

途中、酔っ払い、浮浪者、物乞い、工事人、たくさんの人種が思い思いの時間を過ごしていたが、次郎から言わせれば、みんな気合いが入ってない。どれも甘えている。なんだかんだ怠惰なだけで鬼気迫るものがない。

 

これだから南国はぬるいんだ。

ズンズン歩く次郎を目で追う物乞いに一瞥をくれ、次郎はタウンホールを超えセントラル方面へ歩いた。

物乞いの恨めしい目とぬるい風が次郎を絡め取る。わけのわからないジジイの白人が何か話しかけてきたが完璧な無視を決め込み、次郎は先を急いだ。

 

怠惰過ぎるおまえなどにかまっている時間はないのだ愚民が。北斗神拳をお見舞いする価値も無いわ!かっかっかっ!

 

高らかに宣言してやった。

名もなき学生どもがたむろするスターバーを通り過ぎ、リバプールストリートを左に折れた。

 

この辺からチャイナそしてコリアンの店が多くなるアジアスポットだ。

深夜12時でもやっているのは働き者のアジアンたちだ。次郎が向かった店もその1つだった。

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ふん、ここだ!

よし、やってるな!さすがだ。

 

次郎はどうしても食べたかったものがあった。新大久保にもコリアンタウンはあるが日本だとどうしても日本仕様となり食べやすくなってしまう。しかし、シドニーはコリアンのための店なので本場の味そのものでトゲトゲしい。

そして、ウエスタン料理に比べ半額程度に安かった。

You are...

 

Just one person!

見ればわかるだろう。あぁ??

勿論食べに来たんだ。チャミスルだけを飲みに来るような好きモノと一緒にするなオッパー。

 

見事な返しだ。俺も衰えてないな。

次郎は独りごちた。

 

さてと、Kimuchi soup with pork!

Immediately!

 

次郎は息巻いた。おそらく後半は無視された。

 

次郎は周りを見た。殆どが韓国人だ。しかし、シドニーで見るとなぜか仲間に見えてしまうから不思議だ。

ここではアジア人はまだまだ肩身が狭い。しかし、アジアが覇権を握る日も近くに訪れるだろう。その時はシドニー獅童新居と呼ばれるのだろう。そんな妄想が膨らんだ。

 

オマタセシタシタ

 

韓国人の店員が下手な日本語を使ってきたが満面の笑みだった。

ふん、許してやろう。いずれば兄弟さ。

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ほう、きたな、このキムチスープ!

俺はこれをまっていたんだ!グツグツと熱そうに煮えたぎるキムチスープ。キムチスープなのに更にキムチがデフォルトで出て、そしておかわり自由。さすがだよ。

いや、まてまて、味は落ちてないだろうな?ああ?

 

次郎はグツグツのスープをスプーンですくい口に入れた、

 

あちゃちゃちゃちゃ♪

あたたたた♪

 

熱い!熱いよオッパー!

しかし、これだこのピリッとくる感じがとまらん。ニンニクとキムチがコラボしてもうなんだかわからねーが、涙は出るわ鼻水は出るわの大騒ぎだ。しかしうまい。白飯をすくってからスープに浸して食うとまたうまいんだな。まるでスープカレーだ。だが、そんな上品じゃない。しかしなんだか力強さを感じるぜ。

次郎は額から汗が噴き出した。

ポトポトと垂れる汗はそのままキムチスープに着弾し、そしてそれを再び頬張る次郎。ふん、どうせ循環するんだ、どーってことねーぜ。

 

ふー、さすがに熱くて時間がかかったものの、難なく完食した。

 

ふー。もう風呂に入ったあとみてーだ。

よし、オッパー会計だ!

 

入り口でお願いシマース

 

わかったよ。じゃあなオッパー。また来るぜ!

次郎は入り口に向かった。

入り口では可愛いコリアンが次郎の汗を見て、笑いながらティッシュをくれた。

 

ふん、俺は明日でここを去るんだ。惚れちゃあいけねーよっ!

 

しかし、日本語が通じるわけもなく、

 16 dollars please.

そう言われたのみだった。

 

ち、20ドルだ。釣りで口紅でも買いな!

次郎はそう言い放ち店を出た。

 

シドニーは物価が高く、4ドルの釣りでは水しか買えないだろう。しかし、そんなことはどーでもよかった。最後にキムチスープが食べれて、旅がようやく締まった気がした。

 

ホテルへ向けて再びズンズン歩く次郎。まて新手の物乞いが次郎を上目遣いで見るが、一瞥をくれると足早に通りすぎた。

次には、なぜか裸足の浮浪者が、ゴミ箱の周りをウロウロしていたが、狭い歩道の中で巧みにこれをかわしてジョージストリートに出た。

それからズンズンホテルまで歩いた。

 

ふん、空気は自由だが怠惰だ。技術は進んでいるが知性は幼稚だ。

なにが良くてなにが悪いのか、タマムシ色な社会が確かにあった。

 

夜中のぬるい風とけぶった街灯が先行きを想像させなかった。

 

次郎は自分自身への答えも出しかねていた。

 

続く。

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リバプールストリートにある深夜まで営業している韓国料理屋@SYDNEY

キムチスープのポーク入り。これがどの韓国料理屋でも間違いない。満足の逸品。

3.7次郎

 

 

 

 

 

 

 

次郎は

 

 

ラクサ シドニー

シドニーでジャンキーなものといえばラクサだ。

 

次郎は舌舐めずりした。

今日は昼にラクサを食うと決めていた。以前から通っていたシドニーのラクサ。

 

まだなくなっていないといいが…

 

駅はタウンホールというシティのど真ん中。3階に紀伊国屋があり、よくそこで本も買っていたのだった。

 

さて、どうだ?

おぉ、あった!多少お洒落になってるが、変わってねー!でかしたぞ!

しかも並んでる。相変わらずだ。

次郎と最後尾に回った。どうするか、ベジタブルか、チキンか、ビーフか…

 

よし、今回はビーフだ!

 

ん!!

 

値段が倍近いじゃねーか!

値段は四年前の2倍13ドルだった、

さすがシドニーだ。まだまだ発展してる証拠だな。

 

次郎の番となり、ビーフラクサを頼んだ。

すぐに提供された。

 

さすがアジア料理…早い、安い、うまいの三拍子だ。

さてと、混んでるな。

 

お、あそこが空きそうだ!

次郎は座って口を拭いているインド人のせきのそぼでプレッシャーをかけた。

 

Can I?? Can I???????

 

ふん、はやくどきやがれカレー野郎。ラクサがのびるだろ!

 

次郎のプレスに押され、口を拭いながらインドビジネスマンは席を立った。

 

ふん、許してやろう。明日はカレーでも食いな!地下に死ぬほどあるだろう。

 

次郎は、席に座り、橋をもった。

ふー。うまそうだ。

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このココナッツとスパイスが効いたスープがたまんねーんだよな。そして、春雨のような細い麺にラーメンの太麺もコラボしているにくさ。箸が進まないわけがない!

 

ズルズルッ

 

次郎は勢いよくかっこんだ。

プハー、懐かしい!相変わらずうまいな!

ビーフも硬いがこれがまたいいんだよな!

 

ジュルジュルジュルッ!

勢いを増した。

 

プハー、うめー!うめーぞこれは!

 

あっと言う間に平らげた。

気がつけば鼻水も涙も汗も垂れ流していた。

 

ふー。これぐらい一気に食ってんだこの野郎!

ふー、うまかったなー。

 

!!!

 

なに!気をつけたはずだったのに!!!

見事にTシャツにココナッツ汁が雨のようになっていた。

 

く、くそ。

いや、しかしここはシドニーだ構うもんか。

 

次郎はラクサまみれのTシャツに胸を張り、群衆をかき分けた。

 

これぐらいのことを気にしていたらシドニーではやってけないぜっ!

 

さっきのインドビジネスマンがコーヒーを買っていたが、背中を押しながら目抜き通りへと出て行く次郎だった。

 

カフェじゃなくてチャイだろうがっ!

 

次郎はコーヒーががビジネスマンの胸に飛び散るのを確認しながらジョージストリートを駆け抜けた。

 

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ラクサ@タウンホール駅そばギャラリーズ一階

このラクサは日本で食べたことがない。甘くて辛くてうまい。日本に出ればはやること間違いない。

3.7次郎

 

 

マンリーグリル Sydney

来ちまった…

 

ふん。懐かしいな。

次郎は久しぶりに彼の地に降りた。

 

5年ほど前に住んでいた場所だ。次郎はそこでさまざまな経験をし、一人で生きることを学んだ。

そんな思い出がたくさん詰まった土地シドニーに久しぶりに降り立った。

 

変わってないような気がするな。まぁたかが四年か。

 

鉄道は電子カード決済を導入したものの、駅員の態度は相変わらず悪い。期待するほうがどうかしてるか。日本が良すぎるだけだな、不必要に。

 

さて、まずはフラットホワイトだな。

次郎は日本にはあまり見かけないコーヒーをオーダーした。

 

んー、懐かしい味だ。といいながらもカフェラテとの違いが大してわからんがな。

 

さてと、シティはもういい、とりあえずマンリーだ。 

 

次郎はシドニーのホテルで荷物を置くとフェリーでマンリーに向かった。f:id:hidekinghenry:20170108224316j:image

フェリーからの眺めが最高なんだよな。

次郎は夫婦で来ているインド人を押しのけて、座席を確保した。

 

ふん、どきやがれインド野郎。アジアを馬鹿にすると痛い目にあうぜ。

 

フェリーが発進すると、シドニー湾の風光明媚な景色が広がった。

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ぐおぉ、突然フェリーは揺れ、振動で波飛沫がもろにかかった。

 

くっインドを押しのけていなければ今頃あいつらがお釈迦になるはずだったのに。

結局仏陀はインドを選んだわけだな。次は天竺でリベンジだ。

 

ぶつぶつと独り言を言っていると、ふたたび波飛沫が襲ってきたが今度は写真を取るために立ち上がっていたインド野郎に命中した。

 

ふー、これでおあいこだ。三蔵法師は何人だって話だな。まぁいい、座れインド人。

次郎はインド人夫婦を一瞥すると、ふたたび遠くのマンリーに目を向けた。

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ふう、この景色。変わってないな。思い出しちまうぜ。

今頃あいつは…

 

過ぎた話か。ふん、もう5年も昔のことだ。今の俺は違う。違うが、しかし、やはりあそこに行かないとはじまらねぇ。

 

次郎はワーフに着くと、ダラダラ歩きやがるオージーを押しのけて、海岸に出た。そして、右に曲がると目当ての店があった。

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マンリーグリル。次郎が通った店だった。

 

よし、ねーちゃん、俺をその辺の痩せっぽちアジア人だと思うなよ!俺の胃袋は宇宙なんだ。

まずはシャルドネをもってこい!

 

次郎は息巻いた。

 

しかし、通じない。

 

く、なんてことだ。おれの発音も錆び付いたか。次郎はゆっくりといい直した。

 

ふー。頼むぜねーちゃん。

さてと。

 

次郎はフードメニューを見た。見なくても頼むつもりだったが、まよわずナチュラルオイスターを頼んだ。

 

シャルドネオイスター、完璧だ!

 

ぬかるなよねーちゃん。

 

次郎はしばらく夕景の海に見とれていた。

 

Here you are.

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く、うまそーじゃねーか!この野郎!

さすがマンリーグリルだ。グリルなのにオイスターが絶品なんだ。

次郎はレモンと真ん中のビネガー を勢いよくかけた。

 

くー、うまそーだー。

さてと。

ジュル!

くーーー!so fresh!

 そしてシャルドネとコラボだ。

くーーー!たまらねー。波の音とあいまってまるで海に入っているかのようだ。

んなわけねーか。ははっ。

次郎は独りごちた。

 

さてと、次はフィッシュアンドチップスだ。ここのフィッシュアンドチップスは絶品なんだ。

これもぬかるなよ!

 

あの頃は、ここでコーヒーを飲んだっけな…

ふん、何を言ってるだ俺は。

 

Fish and Chips! 

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おぉ!これも変わってないな。

次郎はレモンを勢いよくかけた。

塩胡椒も振りかけた。

 

これで整ったな。

ザクッ

フィッシュにナイフを入れた。

くーーー!いい音だ。

ほうばった魚からジューシーな魚出汁が溢れレモンとコラボする。

これだ、これだよ、ねーちゃん。次郎はひとり叫んでいた。しかし、日本語でいくらしゃべっても周りは誰も聞いていない。

ふ、さすがアウェーだ。しかしこの方が生きやすいぜ。日本は監視世界だからな。

 

またたくまに次郎は平らげた。

さてと、どーするか…このまま終わるかそれとも、ラムラックでもいくか。

しかしちょっと重いか…

うーん、このままじゃ終われねーよな。

 

よし、ここは。

おい、ねーちゃん!

ワギューバーガー頼むぜ!

 

!!?

Are you sure?

its very big, and with chips...

 

黙れ小僧!俺が食べると言ったら食べるんだ。お前のような単細胞な思考で考えるんじゃねぇ。あぁ?大東亜共和圏にぶちこむぞ!

 

ふー、言ってやった。

ねーちゃんはニヒルな笑いを投げかけながら奥に引っ込んだ。

今頃あのジャパニーズは頭がおかしいとかなんとか言ってるんだろう。

ふん、言わせとけ。

 

ふたたびワインを飲みながら波の音を聴いた。

 

Here you go⤴️

 

半信半疑ながらハンバーガーをもってきた。

くっ、さすがにchips は余計だな。

次郎はハンバーガーにかぶりついた。一番上に無造作にピクルスが一本そのまま乗っけられていた。

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なんて怠惰な。関取みたいだな。まぁいい。これがオージースタイルだろう。平らげてやるよ!

ガブッ。

おお、これでよこのジャンキー感半端ねぇ。サーフィンの帰りによく食べたな。そしてその後一緒コーヒー屋に行ったっけか…

 

いかんいかん、何を思い出してるんだ俺は。

 

うぷっ

 

さすがにきついな。しかし、負けるわけには行かねぇ。

次郎は気合で平らげた。

ふー。もう腹一杯だ。chipsよサヨウナラ。さすがに俺も死んじまうぜ。

 

よし、会計だ!

早くもってこいよ!忘れてたらしょーちしねーぞ!という気持ちを込めてウェイトレスを呼んだ。

 

Thank you . And. How about foooood??

 ちっ、最後までハンバーガーを馬鹿にしやがって。ふん、おまえらの経済は俺が支えてるんだ。綺麗な海で泳げるのも次郎さんのおかげだってんだ、覚えとけ。

 

84.9ドル…

仕方ねぇな。もってきな。

釣りはいらねーよ!

 

次郎は釣りの0.1ドルだけを置いて席を立った。

 

席を立ち、ふたたび海岸に出ると、生暖かい風が次郎の全身をなでた。

少し歩くと次郎の思い出の場所が見えた。

 

ふん、懐かしい所だらけだな。そして、この月は昔のままだ。ふー。

 

ため息をついた次郎は海岸を後にした。

砕けた波の音にまじって、遠く昔の次郎の声が聞こえた気がした。

帰りのフェリーから見たシドニーシティーの夜景がやけに遠く感じられた。

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続く。

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マンリーグリル@マンリー

Manly Grill@Manly beach, Sydney

グリルなのにオイスターが一番うまい。海を見ながらワインとオイスター、そしてグリル。ここを天国と呼ばずしてどこを呼ぶ…?

4.0シド次郎

 

 

とんかつ あおき

な、なんてこった。

 

せっかく早稲田まで来たってのに…

次郎は年末を締めくくるべく、テレビで紹介されていたラーメン屋ガンテツを訪ねていた。

店主のブログを確認し、本日最終営業日だと書いてあった。

しかし、ブログの発信日はよく見ると昨日だった。

早稲田に5時に着いた次郎は店がオープンする6時までろくでもないカフェとやらに入り、紅茶をすすった。

満を持して6時きっかりに店に向かったのだった。行列ができていないことにほくそ笑んだのもつかの間。それもそのはず、店は休みだったのだ。

 

な、なんてこった。

年末の木枯らしは落ち込んだ次郎の心に追い討ちをかけるように斬りつけた。

 

サブッ。

立ち尽くす次郎。しかし、時は年末。ほとんどの店が休みだった。

 

仕方なく、もと来た道を引き返した。

トボトボと歩く次郎。

見上げると大隈講堂があった。

次郎が四年間通った懐かしい校舎があった。

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次郎は久しぶりにノスタルジーに浸った。あの頃は若かったな。前途は洋々だった。

ラーメンを好きになったのもこの頃だった。

 

 

今はどうだ?

年末に一人ぷらぷらと今だにラーメン屋に行き、そして店は開いていない始末。

ふん、それも人生か。

 

すれ違う学生は若者特有のキラキラ感があった。

あまりラーメンばかりに気をとられるなよ若僧。成れの果ては、次郎かはたまた…

 

どんっ

 

おう。後ろから走ってきたアメフト部の学生に突き飛ばされた。

 

しかし、夕陽に染まる学生の後ろ姿は輝いていて、次郎は何も言えなかった。

 

ここは、俺に何を思い出させようってんだ。

次郎は独りごちた。

 

さらに歩いていくと、駅に着く前に学生時代に通った揚げ物屋キッチンおとぼけがあった。しかし、今日は休みだった。おとぼけさんもお休みか。おとぼけな。いや、俺の方がおとぼけか…クククッ…

 

 

…揚げ物か。そうだ、思い出したぞ。本当は行ってみたかったとんかつ屋があったんだ。

蒲田の有名なとんかつ屋が大門に店を出し、それほど混んでいないという情報を次郎は3日前に得ていたのだった。

 

 

ふん、俺もとんだおとぼけだな。

 

次郎は大門に向かって地下鉄の階段を駆け下りた。

 

早稲田から飯田橋大江戸線に乗り換えた。

 

あ、なんて遠回りなんだ。飯田橋から大門は29分もかかるのだった。しかし、今さらこの奥深い大江戸線を引き返すのも面倒だ。さらには今しがた電車が出て行ったばかりだった。

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ふん、まぁ急ぐ旅ではあるまい。ゆるりといくか。気持ちを切り替えて次郎は大江戸線の旅に出た。

列車は空いていた。次郎は迷わず優先席に座した。

 

ふん、優先すべきは、俺の心意気だ。大江戸よ、こんな狭い列車にしたことを後悔するがいい。次郎は目を閉じた。

 

気がつくともう汐留だった。

次は大門だな。

意外と早く着いた印象だった。

 

大門駅に着くと次郎は大股で階段を上がり、どんどん上っていった。

しかし、駅にもほとんど誰もいないな。

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これだから大江戸は深くて困るぜ。しかし、脂ものを食べることだし、これも道か。

 

地上に出た。

ふー、こっからは平坦コースか。グーグルで位置を確認し歩きだした。

 

うぉっと。

背後から外国人ランナーが次郎のすぐ横を駆け抜けて行った。

ふん、そんなに走ったってところで吸収カロリーを抑えなければなんの意味もないわ!せわしい年末に生き急ぐが良い、この極東で!

 

とその背中を一瞥し、再び歩き出した。

ほとんどのビルが沈黙し、町は眠っている。

 

その先にひょっこり件の店は姿を現した。

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あおきってのはこんな字なのか。なんだか優しい気がするのは年末の迷いか気のせいか。

 

ガラガラ♪

 

いらっしゃい。

次郎はカウンターに座した。

さてと、メニューを見た。

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意外と安いな。特上か上か…量も多いしな、上ロースよろしく!

 

はいよ。

 

まずは、お通しの佃煮でお茶を濁すか。

む、塩が四種類もあるな。いい肉は塩でってか。古いな。まぁいい。

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次郎は目を閉じた。

 

キャラキャラキャラ♪

とんかつの上がる音が心地よく耳に響いた。

 

 

はいお待たせしましたー。

突如沈黙は破られた。

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おぉ!!

見た目抜群だな!

なんてカラッとしてるんだ。貪りつきたい衝動にかられるぞ。

いつもは血糖値を心配してキャベツから行く次郎。しかし、今日は別だった。

中身を見ると、分厚くて肉は少しレアないい色をしていた。

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ダメだ、我慢できん。

次郎はボリビアの塩をつけてとんかつを口内に放り込んだ。

ぐお、なんだこれは!

分厚いのに柔らかい。

衣もサクサクだ。

肉を噛んだ瞬間、肉の脂が口の中で溢れ出す。

なんじゃこりゃー!!

 

う、うまいどーーーー!

次郎は脳内でミスター味っ子になっていた。

 

これはここ1年で一番うまい!

蒲田に行列をなすわけだ。

そして、この豚汁がまた。豚バラが効いている。ダメだ、こりゃ涙がでちまうぞ。

 

これは、完敗だ。

年末にいいもん食わせてもらったぞ。

 

おい兄さん、お会計頼む。

 

1500円です。

 

安いな。コスパも最強ってわけか…

叶わないぜ。

 

今年中に知れて良かった…来年は俺も社会に一杯食わせる番だしな。クククッ。

次郎は独りごちた。

 

ガラガラ♪

 

ふー、汗が出るくらい暑いな。冬の寒風なんて屁でもないな。

 

サブッ!

そうは問屋がおろさなかった。

 

ふん、まぁ今年はいいさ。次郎は満足していた。

ビルから覗く狭い空には、冬の空気に冴えた星がきらめいていた。

 

続く。

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とんかつ あおき@大門

めちゃうまい。次は特上ロースにしよう。

脂も肉の厚さも衣もめっちゃうまい。通っちゃいそう。

3.9次郎

 

 

 

 

 

 

 

 

蕎麦きり みよた

くそ、時間が中途半端だな。

 

次郎は次の打ち上げというなの忘年会まで2時間の待ち時間を持て余していた。

 

家に帰るわけにもいかんし、どうしたもんか。

 

休日の街は五月蠅い。

ガキどもやカップルの熱気に当てられ次郎は徐々に力を失っていった。

 

ふー、どーするか、、、

しかし、打ち上げってのはろくなものが食えねーんだよな。だから先に食べておくってのは悪くないな。

 

ソーダソーダ♪

悪魔の次郎が囁いた。

 

ちょっくら寄るのにちょーどいいもんはと、、、。

 

素直に喫茶店に入ればいいものを、次郎は結局食べ物屋に入ることにした。

 

ソーダソーダ♪

 

お、この辺にいつも並んでいる蕎麦きりの店があったはずだな。

おぉ、ここだここだ、今日は並んでないな。ラッキーだ。よし、ちょっくら入るとするか。

 

ガラガラ♪

 

いらっしゃい。奥にどうぞ。

 

促されるままにカウンターに座る次郎。賑やかで活気のある店内は次郎のテンションを上げた。

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ふーむ。何にするかだな。ただの蕎麦はなぁ。む、うまそうな天丼があるな。こりゃ打ち上げの前にガッツリいっちまうな。

 

ソーダソーダ♪

 

よし、兄さん、天丼と蕎麦のセットを頼む。ぬかるなよ!

 

はい、かしこまりました!

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店内をくゆらす湯気が胃袋を刺激した。

ちっ、なんか打ち上げどーでもいいな。追加しちまうか、、、

 

ソーダソーダ♪

 

い、いや、しかし、さすがに年の瀬だしな。行かないってわけにはいかねーか。

 

ソーダソーダ♪

 

悪魔次郎は何にでも相槌を打った。

 

はい、おまち。

突如沈黙は破られた。

 

ほう。海老が3匹もいやがる、いや4本か。

うまそうだ♪

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考えてみれば、蕎麦に丼。炭水化物ばかりじゃねーか。

ソーダソーダ♪

 

まぁ、いい。これも年の瀬ってことで大目に見よう。

 

ソーダソーダ♪

 

さてと。ズルズルッ。

次郎は勢いよく蕎麦をすすった。

 

シンプルな味だ。だがうまい。どんどんいけちまうな。危険だ。

 

そして、この豪快な天丼だ。

ほう、海老天もうまいじゃないか。このタレごはんがまたいけるんだよなー♪

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一本、二本、あっと言う間に四本平らげてしまった。

 

ふー。まだまだいけるな。しかし、ここはこのくらいにしておかないとな。打ち上げで何も食えなくなっちまう。

 

次郎はすでに充分な量を食べていた。

 

さてと、会計だ。

狭い店内をすり抜けてレジにむかった。

 

ガラガラ♪

 

ありがとうございました〜。

 

店員の言葉を背中で受けて外に出る次郎。

 

ぶるっ

 

一陣の北風野郎が次郎の背中を吹き抜けた。

ふー。この寒さも年の瀬か。

浮かれた町に、浮かれた次郎。

 

きらびやかな打ち上げが次郎を待っていた。

 

 

続く。

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 蕎麦にり みよた@表参道

いつも行列の店。時間を外していかないと待ちぼうけに。味はうまいが、この人気の原因はコスパの良さ。初めての人には豚肉の辛味つけそばがオススメ。ズルズルとどんどん食べれちゃう。

3.6次郎